(天望岬の門をくぐる)
オトヒメ
「おお…アマテラス殿!」
イッスン
「よォワカメ姉ちゃんじゃねェか!」
イッスン
「…良くこの場所が分かったなァ?」
オトヒメ
「ヒミコ殿が今際に残した
底知れぬ無念の情―」
オトヒメ
「遥か龍宮にも届きました」
オトヒメ
「ご覧あれ…いま正に海の彼方へと
沈み行く太陽を」
オトヒメ
「日の入りと共に鬼ヶ島は再び
何処かへその場所を移すでしょう」
オトヒメ
「今を逃せばこの次いつ何処に
鬼ヶ島が現れるか―」
オトヒメ
「それを知る術はありませぬ!」
イッスン
「そ…そりゃそうだけどよ
ワカメ姉ちゃんよォ」
イッスン
「島の位置は突き止めても…
あの結界を破るのは―」
イッスン
「操る水龍が死んじまった今
どうすればいいんだァ?」
オトヒメ
「イッスン殿
水龍さまは操るものではありませぬ」
オトヒメ
「全霊を込めて龍玉に祈りを捧げ
この身にその力を借りるのです」
オトヒメ
「アマテラス殿」
オトヒメ
「龍神族の長たるこのオトヒメ
今より龍神に転じ―」
オトヒメ
「幽明を隔つ壁を破りて―」
オトヒメ
「ここに天に架ける神橋と
なりましょう!」
(龍玉の光が天に昇り、水龍となって鬼ヶ島と天望岬を繋ぐ)
オトヒメ
「さぁアマテラス殿…」
オトヒメ
「我が命尽きぬうちに
ここをお渡り下され…!」
イッスン
「よ…よっしゃァ!」
イッスン
「ワカメ姉ちゃん…すぐ戻るから
辛抱していてくれよォ!」
イッスン
「アマ公…残念ながら
駄賃のキビ団子はねェが―」
イッスン
「一匹大神の鬼退治と
洒落込もうじゃねェか!」


(鬼ヶ島に近付く)
イッスン
「アマ公一つ言っておくが―」
イッスン
「今回はどこかでヒミコ姉が
見てるかも知れないンだ」
イッスン
「ハラ減っただの催しただの―」
イッスン
「ワガママ言って引き返すのは
ナシって約束しなァ!」
(もちろん… 大丈夫!)
イッスン
「よォし…」
イッスン
「その言葉忘れるんじゃないぜェ」













(ちょっと待って)
イッスン
「…こんな時だってェのに
お前って奴は…!」
イッスン
「早くしねェとワカメ姉ちゃんが
くたばっちまうぜェ!?」


イッスン
「…今度こそ大丈夫だろうなァ?」
イッスン
「今回はどこかでヒミコ姉が
見てるかも知れないンだ」
イッスン
「ハラ減っただの催しただの―」
イッスン
「ワガママ言って引き返すのは
ナシって約束しなァ!」


(水龍の頭から降りる)
イッスン
「おおっとォ…」
イッスン
「さっそく物騒なモンが
お出迎えと来たぜェ」
イッスン
「勢いよく煮え滾ってやがるが―」
イッスン
「…まァ溶岩なんざ今のお前にゃ
水と大して変わらねェだろォ?」
イッスン
「ジャブジャブ泳いで
水芸でもピュ〜ってなモンだィ!」

(溶岩溜まりを調べる)
イッスン
「この溶岩…
グツグツと煮え滾ってやがるが―」
イッスン
「…まァ溶岩なんざ今のお前にゃ
水と大して変わらねェだろォ?」
イッスン
「ジャブジャブ泳いで
水芸でもピュ〜ってなモンだィ!」


(水龍を調べる)
イッスン
「な…何やってんだィアマ公!」
イッスン
「ワカメ姉ちゃんの気が散るから
やたらに近付くんじゃねェ!」

(頭突き)
イッスン
「そ…そういう事はやめろォ!」


(鬼ヶ城に入る)
イッスン
「鬼ヶ島…」
イッスン
「島をくり貫いて中に城を建てるたァ
随分酔狂な趣向だが―」
イッスン
「…どうせ成り上がりの
三下妖怪が構えたサル山だィ」
イッスン
「オイラたちが天辺までのぼり詰めて―」
イッスン
「のぼせ上がった女ギツネ野郎を
引き摺り下ろしてやろうじゃねェか!」


(電球の付いた台座を調べる)
イッスン
「何だいこの台座はァ?」
イッスン
「カラクリ仕掛けの台座みたいだけど
穴がポッカリ開いてらァ」
イッスン
「この穴…見たところ
鍵穴みたいだぜェ」


(格子戸を調べる)
イッスン
「ダメだァ…」
イッスン
「頑丈な鉄格子が邪魔して
この先には行けそうもないぜェ」


天邪鬼の行商人
「ンギャ?」
天邪鬼の行商人
「…オマエ
ドコカラ入ッテ来タダギャ!?」
天邪鬼の行商人
「マサカ…コノ鬼ヶ島ヲ
攻メ落トシニ来タンジャ…」
天邪鬼の行商人
「ソ…ソレナラオラモ
一歩モ引カナイダギャ!」
天邪鬼の行商人
「漢ト漢ノ真剣勝負―」
天邪鬼の行商人
「キッチリ商売デ片ヲ付ケルダギャ!」


天邪鬼の行商人
「商売ハ真剣勝負!
オラハ商売ニ命ヲ懸ケテルダギャ!」
天邪鬼の行商人
「ドンナ奴ガ相手ニナロウト―」
天邪鬼の行商人
「オラハビタ一文負ケナイダギャ!」

(頭突き)
天邪鬼の行商人
「ンギャッ!?」


(廊下奥の雷マークのついた扉を調べる)
イッスン
「ピシャリと扉が閉じられてらァ」
イッスン
「この扉…ずいぶん変わった
紋所が描いてあるぜェ」
イッスン
「一体どうやったら開くんだィ?」


(看板を調べる)
『 「この先 拷問迷路 』
『 拷問迷路で遊ぶ者は
 次の事項に留意すべし 』
『 一つ足元の仕掛けを踏むと
    封印の御札が進み始める 』
『 その御札に封じられる前に
  出口の門を駆け抜けるべし 』
『 一つ□ボタン頭突き
  繰り出した後― 』
『 そのまま左スティックを入力
  し続けるとダッシュ出来る 』
『 これを駆使しより早く
  出口の門を目指すべし 』
『 一つ拷問迷路は鬼ヶ島のみんなが
    楽しむものなので― 』
『 汚さないよう
  丁寧に扱うべし」 』
イッスン
「…って妖怪どもの言葉で
書いてあるぜェ」


(浮かんでいる御札に近付く)
疾飛丸
「ウン?」
疾飛丸
「チョットチョットソコノ旦那!」
疾飛丸
「アンタ…一体何者デスカイ?」
イッスン
「な…何だァ?
御札が喋ってるぜェ?」
疾飛丸
「旦那ァ…ヤメテ下セェヨ
御札ナンテ素ッ気ネェ呼ビ方ハ!」
疾飛丸
「アッシニハ疾飛丸ッテ名前ガ
アルンデスゼ!」
『 妖魔 疾飛丸 』
イッスン
「疾飛だか高飛びだか知らねェが…
ペラペラ妖怪が何の用だィ!」
疾飛丸
「アッシハコノ鬼ヶ島デ
門番ノ役目ヲ仰セツカッテテ―」
疾飛丸
「早イ話ガ…怪シイ奴ハ
通サネェッテ事ニシテンデサ」
疾飛丸
「…デ旦那ミテェナ御仁ハ
見タ事ガネェンダガ―」
疾飛丸
「アンタ一体誰デスカイ?」
イッスン
「この毛むくじゃらかィ?
こいつは…そうさなァ―」
イッスン
「人呼んで一目散のアマ公!」
イッスン
「つまりこの城の天辺に向かって
大急ぎってワケだィ」
イッスン
「無駄口叩いてるヒマはねェから
先行かせてもらうぜェ!」
疾飛丸
「旦那…悪ィガ
ソウハ行カネェンデスヨ」
疾飛丸
「言ッタデショウ?
アッシハコノ鬼ヶ島ノ門番ダッテ」
疾飛丸
「…タダアッシモ
堅ェ事ヲ言ウツモリハネェ」
疾飛丸
「旦那…アンタ
一目散ノアマ公ッテ言イヤシタネ?」
疾飛丸
「アッシモ競走ニハ
少シバカリ自信ガアリヤシテネ―」
疾飛丸
「ドウデス? …チョイトアッシト
競走シテミヤセンカ?」
疾飛丸
「ナァニ…向コウニ見エル出口ノ門ニ
ドッチガ早ク着クカ
簡単ナ勝負デサ」
疾飛丸
「アッシトノ競走ノ仕方ハ
ソノ辺ノ看板ニ書イテアル通リ
疾飛丸
「…サァアッシモ
コレ以上無駄口ヲ叩クツモリハネェ」
疾飛丸
「後ハ熱イ勝負デ語リ合イヤショウヤ!」


(道を進んだ先にいる疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「旦那…
ソコソコヤルジャネェデスカイ」
疾飛丸
「…デモ今ノハ
チョットシタ練習ミタイナモンデサ」
疾飛丸
「ココカラガ本当ノ勝負ナンデスガ―」
疾飛丸
「旦那ァ…」
疾飛丸
「アンタ…針デ串刺シトカ
大丈夫ナ方デスカイ?」
疾飛丸
「足ヲ滑ラセタラ
針ノ筵ニ真ッ逆サマノ針海ノ間!」
疾飛丸
「ナァンテ…平気デスカイ?」
イッスン
「な…何をォ?」
イッスン
「そんなモン平気な奴がいるかィ!」
疾飛丸
「マァ何ガアッタトコロデ…
今更音ヲ上ゲネェデ下セェヨ」
疾飛丸
「久シブリノ客人デ
アッシモ気合入ッテンデスカラネ!」

(次の疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「旦那ァ…
チョイト息ガ上ガッチャイヤセンカ?」
疾飛丸
「無理シテ命ヲ落トシチャ
何ニモナリヤセンゼ!」
疾飛丸
「次ノ段々廊下
ソンナニ危ナカネェデスガ―」
疾飛丸
「行キヤスカイ?」


(次の疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「旦那…
今ノ内ニ言ットキヤスガ―」
疾飛丸
「コノ先マダマダ
阿鼻叫喚ノ拷問迷路ガ続キヤス」
疾飛丸
「…コノ辺デ帰ッタ方ガ
イインジャネェデスカイ?」
イッスン
「ヘッヘ
鯱張るんじゃねェや紙っぺらァ!」
イッスン
「ペラペラ喋ってねェで
さっさと次の勝負だィ!」
疾飛丸
「ソウ来ナクッチャ!」
疾飛丸
「次ノ鋸廊下…コレデアッシモ
本気ノ勝負ガ出来ルッテモンデサ!」


(次の疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「旦那ァ…中々イイ走リヲスルジャ
ネェデスカイ」
疾飛丸
「一目散ノアマ公ッテ名前ハ
伊達ジャネェヤ!」
疾飛丸
「疾飛丸ノ名ニ懸ケテ…コレ以上
アッシモ負ケルワケニハイカネェ!」
疾飛丸
「サァ獄輪廊下
張リ切ッテ行キヤショウカ!」


(次の疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「…コリャタマゲタァ!」
疾飛丸
「マダアッシニ
喰ライ付イテ来ルタァ驚キデサ…!」
イッスン
「おいおい紙っぺらァ
お前の名前…疾飛丸だっったっけェ?」
イッスン
「…名前のワリにあんまりのろま過ぎて
アクビが出らァ!」
疾飛丸
「……」
疾飛丸
「ソレジャオ次ハ
チョイト趣向ヲ変エテミヤショウカ」
疾飛丸
「旦那ヲ無礼ルワケジャネェデスガ―」
疾飛丸
「次ノ緊縛ノ間
アッシニ勝ツ事ガ出来ヤスカイ?」


(看板を調べる)
『 「拷問迷路名所熱線地獄 』
『 熱線地獄の遊び方 』
『 一つ各所に並ぶ呪い武者像は
     殺人熱線を容赦なく撃ち放つ 』
『 これに当たると甚大な痛手を
  被るので華麗にかわすべし 』
『 一つ呪い武者に衝撃を与える
    故障しかねないので― 』
『 節度ある取り扱いを
  心掛けるべし 』
『 一つ拷問迷路は鬼ヶ島のみんなが
    楽しむものなので― 』
『 順番を守って
  喧嘩せず遊ぶべし 』
イッスン
「…って妖怪どもの言葉で
書いてあるぜェ」


(次の疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「コ…ココマデ来タ奴ァ
アッシノ仲間ニモイヤセンゼ!?」
疾飛丸
「ドウヤラアンタ…
遊ビデ勝テル相手ジャナサソウデサ」
疾飛丸
「四ノ五ノ御託ヲ並ベルナァ
モウ仕舞ェダ!」
疾飛丸
「コノ疾飛丸…命ヲ削ッテ
針閉廊下ノ勝負ニ臨ミヤス!」


(外の扉を調べる)
イッスン
「ピシャリと扉が
閉じられているぜェ」
イッスン
「この扉…ずいぶん変わった
紋所が描いてあるぜェ」
イッスン
「どうやらこれも
カラクリの一種だろうけど―」
イッスン
「一体どうやったら
開く事ができるんだァ?」


(弓を背負った巨大な虎の像に近付く)
イッスン
「…随分猛々しい彫像だぜェ」
イッスン
「暗雲に向かって吠え立てて―」
イッスン
「まるで月にでも噛み付きそうな
勢いじゃねェか」
イッスン
「…まァ一つ難点を言やアレだなァ」
イッスン
「大層な弓は背負ってるものの―」
イッスン
「肝心の矢がスッポ抜けてる所かィ?」
イッスン
あるはずの物がないってェのは―」
イッスン
「どんな傑作でも
台無しにしちまうモンだなァ?」


イッスン
「こんな所に放っぽっておくには
もったいねェくらいの彫像だァ」
イッスン
「背中に弓を担いだ
勇猛な虎の威容が表現されてるぜェ」
イッスン
「…でもこの石像
何か足りない気がするんだよなァ」


イッスン
「こいつは背中に弓を担いだ
勇猛な虎を描いた石像だけど―」
イッスン
「肝心の弓矢がスッポ抜けてるから
いまいちパッとしねェや…」


(画龍で描いた矢が発射され、雷雲を晴らす)
イッスン
「すげェ…
彫像の矢が暗雲を吹き飛ばしたァ!?」
イッスン
「来た…来た来た来たァ!」
(星座を完成させると弓を背負った虎が出現)
撃神
「おお…
我らが慈母アマテラス大神」
撃神
「妖怪どもが跋扈したる
この城に封じられし我が身なれど―」
撃神
「御許の通力で我が目ようやく
光を宿す事かないぬ」
撃神
「御許と共に修羅の道歩むとあらば
この撃神―」
撃神
「迸る雷の力を以って
主の御前に一条の光を捧げ奉らん!」
(撃神がアマテラスに宿る)
イッスン
「つ…ついに来たじゃねェか
十二番目の分神撃神がよォ!」
イッスン
「稲妻を自在に操る狂猛な筆業
迅雷の筆神サマ―」
イッスン
「アマ公それがお前の筆業だったんなら
見事使いこなしてみなァ!」
イッスン
「そうだ! あそこにある銅剣の置物―」
イッスン
「電撃をブチかますにゃ丁度いいぜェ!」
イッスン
空の暗雲に稲光が走ったら―」
イッスン
その稲光から線を引いて
銅剣の置物に繋げる
のさァ」
イッスン
「…そうすりゃ
稲妻がその線に導かれて―」
イッスン
あの銅剣の置物を直撃だィ!」

(失敗)
イッスン
「何やってんだィ!」
イッスン
稲光がピカッと光った瞬間に
筆を執って
―」
イッスン
その稲光から線を引いて
銅剣の置物に導く
んだよォ!」

(失敗二回目以降)
イッスン
「…お前ちゃんと
やり方分かってるかァ?」
イッスン
「まずはあの空を良く見て―」
イッスン
「それで稲光がピカッと光ったら…
その瞬間に筆を執る
のさァ」
イッスン
「そしたら後はその稲光から線を引いて
銅剣の置物に導く
だけだぜェ!」
イッスン
「ホレ…紅蓮や水郷と同じ要領さァ
分かるだろォ?」

(短く出す)
イッスン
「出たァ!」
イッスン
「でも…線の狙いが
外れちまったじゃねェか」
イッスン
「さァもう一度落ち着いて―」
イッスン
稲光から線を引いて
銅剣の置物に導いて
みなァ!」

(成功)
イッスン
「す…すげェ!!」
イッスン
「あんな雷が落ちたら…
敵だってタダじゃ済まないぜェ!?」
イッスン
「電撃の勢いで扉もビックリして
開いちまったようだが―」
イッスン
電気で扉を開けるカラクリでも
仕込んであったのかァ?」
イッスン
「…とにかく丁度道も開けたし―」
イッスン
「この新しい筆業で
城の頂上を目指そうじゃねェか!」
イッスン
「……」
イッスン
「しかしアマ公…」
イッスン
「散り散りに分かれた筆業も
これでもうあと一つかァ…」
イッスン
「そいつが手に入りゃオイラも―」
イッスン
「全ての筆業を
目に焼き付けた事にならァ」
イッスン
「そこまで…もうあと少しだなァ」
イッスン
「……」
イッスン
「おっと…無駄口叩いてるヒマが
あったら先を急がねぇとなァ!」
イッスン
「さァ行こうぜェアマ公!」


(石像を調べる)
イッスン
「お前のお陰で迅雷の石像が
猛々しく鎮座しているぜェ」


(宝箱を調べる)
イッスン
「クサい…クサいぜェ」
イッスン
「お宝の芳しい匂いが
プンプンしてくらァ!」
イッスン
「…でもこの宝箱
一筋縄じゃ開きそうにねェや」
イッスン
「力押しじゃダメだぜェ!
もうちょいオツムを使わねェとなァ」

イッスン
「この宝箱…天辺に
銅剣が飾ってあらァ」
イッスン
「こいつは…ひょっとしたら
ひょっとするかもなァ」
イッスン
「…お前もしっかり
空っぽの頭を使って考えろよォ!」


(電気を放つカギに近付く)
イッスン
「…?」
イッスン
「何だか妙な形をしてるが…
こりゃカギかァ?」
イッスン
「アマ公…お前はすぐに
何にでも手を出そうとするけど―」
イッスン
「そんなモンイキナリ咥えたりして―」
イッスン
ビリィッ!
イッスン
「…なァんて来ても知らないぜェ?」

(カギを咥えると周囲の装置から雷マークの床が出現)
イッスン
「!?」
イッスン
「な…何だィこりゃ?」
イッスン
「一面に妙な模様が現れたぜェ!」
イッスン
「…アマ公
このカラクリもしかして―」
イッスン
「お前がその変なモンを
咥えたからじゃ…」
イッスン
「…敵の罠に引っかかって
痛い目見たりしないだろうなァ?」


(扉を調べる)
イッスン
「この扉…ビリィッ!って
やれば開く扉だよなァ?」
イッスン
「そんな危ないモン…
どっかになかったっけェ?」


(看板を調べる)
『 「拷問迷路名所障子地獄 』
『 障子地獄の遊び方 』
『 一つ一度障子を開けて踏み込めば
     四面を障子が取り囲む 』
『 これを東西南北
  無尽に走り回り興に入るべし 』
『 一つ度重なる遊楽使用のため
     一部壁などに破損が見られる 』
『 ゆめ爆発物など
  使用するべからず 』
『 一つ拷問迷路は鬼ヶ島のみんなが
     楽しむものなので― 』
『 他人の迷惑になる行為は
  慎むべし 』
イッスン
「…って妖怪どもの言葉で
書いてあるぜェ」


(扉を調べる)
イッスン
「この扉…ビリィッ!って
やれば開く扉だよなァ?」
イッスン
「そんな危ないモン…
どっかにねェかァ?」


(格子戸の先に進む)
イッスン
「……!」
イッスン
「こりゃ見事な彫像だァ…」
イッスン
「妖怪どもの吹き溜まりにゃ
もったいない一品だぜェ」
イッスン
「だけど…その辺の美術品とは違う
淀んだ臭味も漂ってらァ」
イッスン
「特に天に突き上げたあの刀剣…」
イッスン
「七支刀なら見た事はあるが―」
イッスン
「九つの枝分かれなんて異様なモンは
初めて見たぜェ」


(雷神像を調べる)
イッスン
「この彫像…
近くで見れば見る程―」
イッスン
「その辺の美術品とは違う
淀んだ臭味を漂わせてらァ」
イッスン
「天に突き上げたあの銅剣―」
イッスン
「七支刀なら見た事はあるが―」
イッスン
「九つの枝分かれなんて異様なモンは
オイラも初めて見るぜェ」


(先に進むとアラーム音が鳴り響く)
イッスン
「な…何だ何だァ!?」
イッスン
「アマ公! …お前また妙な仕掛けを
触ったんじゃないだろうなァ!?」
イッスン
「ととと…とにかく
早く何とかしろォ!」


(疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「ダ…旦那…」
疾飛丸
「ツイニココマデ来チマイヤシタカ…」
疾飛丸
「実ヲ言ウト…ココカラ先ハ
モウ余興ノ埒外デシテネ―」
疾飛丸
「アッシハオフザケ無シデ
番人ノ仕事ヲシナキャナラネェンデサ」
疾飛丸
「デモアッシハ勝負ノ途中カラ
旦那ノ事ヲ何テ言ウカ…」
疾飛丸
「…有体ニ言ヤ好キニナッチマッテ―」
疾飛丸
「早駆ケニ命ヲ駆ケル旦那ノ姿…
モット見テイテェ」
疾飛丸
「…ソウ思ウヨウニ
ナッチマッタンデサ」
疾飛丸
「ヘッヘ…コンナ事言ッチャ
門番失格デスカネェ?」
イッスン
「……」
疾飛丸
「ダカラネ旦那」
疾飛丸
「アッシハヤッパリ
勝負ノ世界ニ生キテェ」
疾飛丸
「ココマデ来テ勝負ヲ止メルナンテ―」
疾飛丸
「ソンナ温イ事ァ
言イタカネェンデサ!」
疾飛丸
「番人失格ダロウガ関係ネェ」
疾飛丸
「旦那ァ
最後マデイイ勝負シヤショウヤ!」


(答選坊に近付く)
答選坊
「ヌ〜ン!」
答選坊
「オラノ名前ハ答選坊
答選坊
「一度通サナイト決メタラ
絶対通サナイ番人デ通シテルダ!」
答選坊
「…アレ? イヤ通サナイダッケ?」
イッスン
「まァたお前かィ」
イッスン
「そんなに鬼孔を突いて欲しいのかァ
ポチポチとよォ?」
答選坊
「何ヲ言ッテルダ?」
答選坊
「ハハァン…サテハオマエダナ?」
答選坊
「オラノ仲間ヲ次々ト葬リ去ッテル
恐怖ノ暗殺者―」
答選坊
「四足ノ白イ悪魔ッテノハ!」
イッスン
「い…いつの間に
そんなあだ名が付けられたんだィ」
答選坊
「オマエガ現レル事ハ
モウオ見通シダッタダヨ」
答選坊
「オラハコノ鬼ヶ島ノ影ノ支配者―」
答選坊
「他ノ仲間トハ一味モ二味モ違ウダヨ!」
答選坊
「タトエオマエガ
四足ノ白イ悪魔ダトシテモ―」
答選坊
「オラヲ倒ス事ハ出来ナイダヨ!」
答選坊
「…サァココハ絶対通サナイカラ
アッチヘ行クダヨ!」


答選坊
「ヌ〜ン! …オマエマダ
オラノ前ヲウロウロスルダカ?」
答選坊
「…無駄ダ無駄ダ!」
答選坊
「オラハコノ鬼ヶ島ノ影ノ支配者―」
答選坊
「他ノ仲間トハ一味モ二味モ違ウダヨ!」
答選坊
「タトエオマエガ
四足ノ白イ悪魔ダトシテモ―」
答選坊
「オラヲ倒ス事ハ出来ナイダヨ!」
答選坊
「…サァココハ絶対通サナイカラ
アッチヘ行クダヨ!」
イッスン
「邪魔だぜェこの木偶の坊!」
イッスン
「アマ公! …頭突きをブチかまして
サッサとアレをやっちまいなァ!」

(成功)
答選坊
「アタタァ!?」
答選坊
「コ…コレガ四足ノ白イ悪魔ノ…
本当ノ力ダカ…!?」
答選坊
「オラガ鍛エニ鍛エタ経絡鬼孔ヲ―」
答選坊
「イトモ簡単ニ突キ当テルダナンテ!」
答選坊
「コノ答選坊…
素直ニ負ケヲ認メルダヨ」
答選坊
「…ダケンド
オラモコノ鬼ヶ島ノ影ノ支配者―」
答選坊
「散リ際ダケハ絶対ニ汚サナイダヨ!」
答選坊
「サァ見ルダ漢ノ生キ様ヲ!」


(疾飛丸に近付く)
疾飛丸
「旦那…
ヤッパリアンタニャ敵ワネェ」
疾飛丸
「旦那ノ明日ヲ見据エル目―」
疾飛丸
「…ソイツガ旦那ヲ
大詰メノ舞台マデ導イタンデスネ」
疾飛丸
「大詰メッテナァアッシトノ
チッポケナ勝負ノ事ジャネェ」
疾飛丸
「鬼ヶ島ノ城ノ天辺ヲ目指ス
旦那ニトッテ―」
疾飛丸
本物ノ大詰メ
スグソコマデ来テルンデサ」
疾飛丸
「コノ疾飛丸…コンナニ勝負デ
熱クナッタノハ旦那ガ初メテデサ」
疾飛丸
「旦那ニ加勢スル事ァ出来ネェガ―」
疾飛丸
「最後ニ旦那ノ門出ヲ
アッシノ早駆ケデ飾リヤショウ!」
イッスン
「紙っぺらァ…」
疾飛丸
「サァ旦那!」
疾飛丸
「最後ノ最後ノ大一番―」
疾飛丸
「熱イ勝負デ
アッシヲ燃エ尽キサセテ下セエ!」

(勝利)
疾飛丸
「旦那…オ見事!」
疾飛丸
「ナンダカンダ言ッテ
最後マデゴ一緒サセテ頂キヤシタガ―」
疾飛丸
「アッシノ最後ノ早駆ケ…
旦那ノ門出ヲ飾レヤシタカネェ?」
イッスン
「…随分殊勝な態度じゃねェか」
イッスン
「まァお前も
敵ながら天晴れだったぜェ!」
疾飛丸
「旦那ミテェナ男前ニ
散リ様ヲ見届ケテモラエルナンテ―」
疾飛丸
「ヘッヘ…
妖怪冥利ニ尽キルッテモンダイ」
イッスン
「オ…オイオイ紙っぺらァ」
イッスン
「何だいその今にも消えちまうような
言い草はよォ?」
疾飛丸
「掟ニ背イタラ消サレチマウノガ
アッシ達妖魔ノ定メ…」
疾飛丸
「門番トシテノ役目ヲ
放リ投ゲチマッタ以上―」
疾飛丸
「アッシノヨウナ役立タズハ
オ役御免デサヨウナラッテ訳デサ」
イッスン
「な…何ィ?」
疾飛丸
「オット!
旦那ガ済マナガル事ァネェ」
疾飛丸
「コイツハアッシガ選ンダ
アッシノ生キル道―」
疾飛丸
「…誰ニモケチノ付ケラレネェ
アッシダケノ大事ナ人生デサ」
疾飛丸
「タトエ妖魔ノ使イッ走リニ
生マレヨウト…」
疾飛丸
「散リ際クレェアッシノ好キニ
サセテモラワナキャ―」
疾飛丸
「ココマデ生キテ来タ意味ガネェ!」
疾飛丸
「旦那ァ…最後マデ道案内出来ナクテ
スイヤセン」
疾飛丸
「別レノ際ニ満開ノ花束デモ
手向ケテ差シ上ゲタカッタガ―」
疾飛丸
「…ソンナ気ノ利イタ物モナク
散リ行クアッシヲオ許シ下セェ」
疾飛丸
「ソレジャ旦那…」
疾飛丸
「オ元気デ…!」
(一輪の花に化身し消える疾飛丸)
イッスン
「疾飛丸…」
イッスン
「お前との勝負は
チッポケなんかじゃなかったぜェ」
イッスン
「…もしかしたらお前がいたから
ここまで来れたのかも知れねェ」
イッスン
「お前が見せてくれた熱い男気―」
イッスン
「…この先で待つ大勝負に
持って行くぜェ」


(舞台の階段に差し掛かる)
イッスン
「…アマ公感じねェか?」
イッスン
「静かだが…
生暖かくて居心地の悪ィこの雰囲気―」
イッスン
「…野郎間違いなくどこかで
オイラたちを見てやがらァ!」
イッスン
「向こうはやる気マンマンだぜェ
…どうするアマ公!」
(もちろん… 大丈夫!)
イッスン
「…だよなァ?」
イッスン
「オイラも早く暴れたくて
ウズウズしてんだィ!」
イッスン
「女ギツネ野郎…思い知らせてやらァ!」





(ちょっと待って)
イッスン
「お前…何を迷ってんだィ!」
イッスン
「…野郎はすぐそこだァ
ジタバタしても始まらないぜェ!」


イッスン
「さァ…グズグズしてたら
ワカメ姉ちゃんに笑われらァ!」
イッスン
「向こうはやる気マンマンだぜェ
…どうするアマ公!」


(舞台に上がる)
イッスン
「さァて…」
イッスン
「ついに城の天辺まで追い詰めたぜェ」
イッスン
「出て来い女ギツネ野郎!
どこに隠れやがったァ!」
イッスン
「ヒミコ姉の仇…
このイッスンさまが取ってやるぜェ!」
(アマテラスが遠吠えすると雲が晴れ赤い月と星座が出現)
イッスン
「く…雲が晴れて―」
イッスン
「…こんなに妖気が立ち込めてる所で
まさか…!?」
(完成させると狐面を付け剣を背負ったキュウビが出現、神空間に移動)
キュウビ
「クカカカカ…」
キュウビ
「血眼ニナッテ駆ケズリ回リ―」
キュウビ
「溝鼠ノヨウニ我ガ城鬼ヶ島ヘ
忍ビ込ンダカアマテラス?」
キュウビ
「コノキュウビ…闇ノ國ノ君主
常闇ノ皇ヨリ力ヲ授カリ―」
キュウビ
「両島原ノ領主ヲ仰セツカッタ!」
キュウビ
「ワザワザココマデ来ナクトモ
貴様ノヨウナ邪魔者―」
キュウビ
「イズレ人間諸共
喰イ殺シテヤッタモノヲ」
キュウビ
「…アノ女王ヒミコノヨウニナ!」
イッスン
「闇の國ィ?
常闇の皇ィ?」
イッスン
「…そりゃ一体何の事だィ!」
イッスン
「大体両島原の領主なんて
オイラは許した覚えはねェ!」
キュウビ
「常闇ノ皇…ソレハ
我ラ妖魔ノ絶対的主君
キュウビ
「…コノ世ニ二ツト在リ得ヌ
古今独歩ノ闇ノ象徴ナノダ」
キュウビ
「黴ノ生エタ昔話ニ縋ッテ
神ヲ称エル野良畜生トカ訳ガ違ウワ!」
イッスン
「尼僧に化けたり
こんな紛い物の舞台を用意したり―」
イッスン
「嘘っぱちのイカサマ野郎は
てめェの方じゃねェか!」
イッスン
「…今度こそてめェの化けの皮
引っぺがしてやるぜェ!」
キュウビ
「クカカカカ!
果タシテドチラガ本物カナ?」
キュウビ
「…神ノ力ナド遥カニ凌駕スル
我ガ妖力―」
キュウビ
「ココデ存分ニ味ワウガイイ!」

(戦闘開始、勝利)

「ヒミコの仇!」
「…アマテラスは
執念で大妖怪キュウビを討ち取った」
「大きな獣に姿を変えて横たわる
キュウビの正体―」
「…それは邪気を募らせて
妖怪となった古狐じゃった」
「ともかく主を失った鬼ヶ島は
音を立てて崩れ―」
「死者への手向けのように
花となって大海原へ散って行った」
「そして海神水龍に変化した
龍神族の長オトヒメも―」
「その役目を終えて
無事龍宮へと帰って行ったのじゃった」
「じゃがキュウビから外れた
奇怪な面は―」
「宙で忽ち真っ黒な妖気に姿を変える」
「そこには退治したばかりの
キュウビの怨霊に加え―」
「キュウビに己の力を捧げた
妖刀金釘の怨霊の姿もあった」
「二つの怨霊は絡み合うように
空中でうねり―」
遥か北方の地へと飛び去って行った」
「オロチの体から現れ出でた怨霊は
全部で四つ―」
「…キュウビたちの怨霊は
残る仲間の元へ向かったのじゃろうか」
「それともキュウビが残した今際の言葉
"闇の國の君主常闇の皇"―」
「…その禍々しい名前の示すものが
北方にあるのじゃろうか?」
「押し寄せる闇の気配にアマテラスは
武者震いを禁じえないのじゃった」
「そしてアマテラスと旅を続けてきた
小さな妖精イッスンも―」
「その心に変化を来しておった」
「全て筆業を目に焼き付けたら
旅は終わりと言って憚らないイッスン」
「残る筆業をあと一つに残した今
なぜか顔を曇らすのじゃった」
「…兎にも角にも二人が目指すは
極寒の地で待つ次なる妖魔!」
「まだまだ冒険のお話は続くんじゃが…
お後は次の―」
イッスン
「アマ公楽しんでる場合じゃないぜェ」
イッスン
「キュウビを倒した所で
ヒミコ姉は帰って来やしねェけど―」
イッスン
「一丁弔いの雄叫びで
その魂を送ろうじゃねェか!」


(戻って来たアマテラスの前にウシワカ出現)
ウシワカ
「やぁアマテラス君」
ウシワカ
「もしかして鬼ヶ島で
キツネ退治でもして来たのかい?」
ウシワカ
「…でもその様子じゃ
イロイロと苦労してるみたいだねぇ」
ウシワカ
「キツネ君はそんなに手強かったかな?
アハハハハ!」
イッスン
「てめェ…」
イッスン
「ヒミコ姉が死んじまったってェのに―」
イッスン
「よくそんな能天気で
いられるモンだなァ!?」
ウシワカ
「…!?」
ウシワカ
「フフッ」
ウシワカ
「ゴムマリ君…
意外に女々しい事を言うじゃないか」
ウシワカ
「女王ヒミコの行いは
全て覚悟の上―」
ウシワカ
「…それはアマテラス君だって
納得ずくじゃないのかい?」
イッスン
「な…何をォ!?」
イッスン
「…とにかくオイラぁ今は
お前の顔は見たくねぇンだ」
イッスン
「さっさとどこかへ行っちまいなァ
このインチキ野郎!」
ウシワカ
「…これはこれは
随分とご機嫌ナナメだなぁ」
ウシワカ
「そんなに怒ってたら…
空のお天道さまも悲しむよ?」
(雷鳴が響き出す)
ウシワカ
「ほうら…言った通りだろう?」
ウシワカ
「あのカミナリは…
神州平原の北の方からだ」
ウシワカ
「…正に風雲急を告げるといった
ところだね」
ウシワカ
「アマテラス君…ミーも忙しいから
そろそろ消えるけど―」
ウシワカ
「取りあえずこれだけ
言ってもいいかい?」
ウシワカ
「"電撃ビリリで入り口オープン!"」
ウシワカ
「フゥ…やっぱりこの予言をしないと
落ち着かなくてねぇ!」
ウシワカ
「…ついでにユーたちのマップに
印を付けちゃおうかな?」
イッスン
「か…勝手に何しやがんだィ!」
ウシワカ
「だって…どうせそこへ
行くつもりだったんだろう?」
ウシワカ
「キツネ君の体から湧き上がった
あの妖気の向かった先へね…」
イッスン
「お前…何を企んでやがるんだァ?」
ウシワカ
「フフフ…」
ウシワカ
「久しぶりに予言も楽しんだし…
この辺でお暇しようかな?」
ウシワカ
「それじゃ一瞬でバイバイ!」
(消えるウシワカ)


(石碑を調べる)
イッスン
「まさか星の渦を
風車みたいに回すたァ―」
イッスン
「…お前もとんでもない事を
しやがるぜェ」


天望岬の男
「さ…さっきの見た!?」
天望岬の男
「鬼の顔をした島が…
花になって散ってったよ!」
天望岬の男
「嵐でも来そうな天気だったから
一度家に帰ったんだけど―」
天望岬の男
「…不思議と怖い感じがしなくて
戻って来たんだ」
天望岬の男
「そしたらあんな綺麗な瞬間を見られて
…いやぁ運がいいなぁ!」


天望岬の男
「いつも夜空ばっかり眺めてたけど―」
天望岬の男
「昼の青空に散る花吹雪も
綺麗なものだね…」


行商人
「み…見たかいワン子
鬼ヶ島が花になって散って行くのを!」
行商人
「いやぁ…美しかったなぁ」
行商人
「何があったのか知らないけど…
きっと鬼ヶ島はもう現れない」
行商人
「両島原の海に平穏が戻ったんだよ!」
行商人
「ワン子!
お祝いに何か勝っていかないかい?」


行商人
「鬼ヶ島がなくなって
安心して商売出来るのはいいけど―」
行商人
「名物がなくなっちゃったのは
ちょっと残念かなぁ…」
行商人
「ワン子…買い物のお使いがあったら
ちょっと見て行かないかい?」