ヒミコ
「おお慈母アマテラス大神
水龍乱心の謎は解けたでおじゃるか?」
ヒミコ
「妾の祈祷はまだまだ時間が
掛かります故―」
ヒミコ
「貴殿には水龍の件
宜しくお頼み申すでおじゃります」
ヒミコ
「カンモン砦を越えた先の海には
龍を操ると言われる海の民―」
ヒミコ
龍神族の國がありまする」
ヒミコ
「海神水龍が暴れ始めたのには
龍神族が何か関係しているはず…」
ヒミコ
「水龍乱心の謎を突き止め
鬼ヶ島への天つ橋を架けてたもれ!」


ゲンナイ
「フムムムムム…」
ゲンナイ
「あと一歩でワガハイの傑作が
完成すると言うのに―」
ゲンナイ
「…最後の部品だけが
どうしても足りないナリ!」
ゲンナイ
「これさえ完成すればみんなの暮らしが
飛躍的に向上するナリ」
ゲンナイ
「ワガハイの…ワガハイの才能が
今まさに試されているナリよ!」
『 カラクリ発明家 ゲンナイ 』
ゲンナイ
「それよりシロ助…お前どうやって
ここまで来たのか知らんナリが―」
ゲンナイ
「ワガハイの家に客人とは珍しいナリ」
ゲンナイ
「丁度いま考え過ぎて
頭がウニになっていたナリから―」
ゲンナイ
「お前気晴らしにワガハイが提唱する
相対性理論の話でも聞かないナリか?」
イッスン
「いや…そんな話別にいいよォ」
ゲンナイ
「ま…待て帰るなナリ!」
ゲンナイ
「分かったナリ
…それならこんな話はどうナリか?」
ゲンナイ
「ナカツクニ中を歩き回り
色んな所を旅したワガハイナリが―」
ゲンナイ
「今まで実にたくさんのガラクタを
拾い集めたナリ」
ゲンナイ
「見た事もない形の彫刻品や
触れた事のない手触りの石―」
ゲンナイ
「ワガハイが思うに
このナカツクニには―」
ゲンナイ
大昔に何か別の文明があった
違いないナリ!」
イッスン
「…ブンメイ?」
ゲンナイ
「…なんて事を言っても
信じる者など誰もいないナリがな」
ゲンナイ
「とにかくワガハイは
拾い集めたガラクタを組み上げて―」
ゲンナイ
「様々なカラクリを作り上げているナリ」
ゲンナイ
「ガラクタたちはそれだけでは
何の役にも立たんナリが―」
ゲンナイ
「工夫して組み合わせてやれば
生きたカラクリに生まれ変わる…」
ゲンナイ
「ガラクタは…
ワシの愛すべき友人ナリよ!」
イッスン
「…もういいかァ?」
ゲンナイ
「ま…待て
話はここからナリ!」
ゲンナイ
「実は見ての通りワガハイはここに
一大傑作を完成させつつあるナリ」
ゲンナイ
「しかし
あと一歩というところまで来て―」
ゲンナイ
「最後の一箇所にはめる部品が
足りなくなってしまったナリ!」
ゲンナイ
「その部品がなければ…
この一大傑作は命を宿さないナリよ!」
ゲンナイ
「フゥ…話は以上ナリ」


ゲンナイ
「フムムムムム…」
ゲンナイ
「一大傑作完成まであと一歩のところで
こんな壁に突き当たるなんて…!」
ゲンナイ
「たった一つのカラクリ歯車―」
ゲンナイ
「それが足りないだけで
カラクリはピクリとも動かんナリ」
ゲンナイ
「カラクリは…正に生き物ナリよ!」

(頭突き)
ゲンナイ
「ウギャッ!」


(壁の仕掛けを調べる)
イッスン
「銅線で結ばれた
複雑なカラクリがあるぜェ」
イッスン
「このカラクリ…
真ん中の部分がすっぽ抜けてるけど―」
イッスン
「コレちゃんと動くのかァ?」

(レバーを調べる)
イッスン
「オイオイあんまり
はしゃいでイタズラするなよォ?」


警備隊(黄色巻貝)
「…?」
警備隊
「踊り子隊の掛け声が…何だか
いつもと違うような気がするんだが?」


踊り子
「体力モリモリホンダラホイ!」
踊り子
「馬力モリモリホンダラホイ!」
踊り子
「やっぱり最後にモノを言うのは
体力だワさ」
踊り子
「これからの龍宮踊り子隊は
体力をウリにして行くだワさ!」


踊り子(青)
「体力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「馬力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「あらワンちゃん
あなたも踊ってみたい?」


踊り子(赤)
「体力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「馬力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「リーダーが急に体力作りをするって
言い出して―」
踊り子
「こんな踊りをする事になったのよ」
踊り子
「…でもこれで本当に
体が鍛えられるのかしら?」


踊り子(黄)
「体力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「馬力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「私たちの踊りに不可能なんてないわ!」


踊り子(緑)
「体力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「馬力モリモリホーヤレホ」
踊り子
「どうワンちゃん
私少しは筋肉付いてるかしら?」


警備隊(イソギンチャク)
「おや?」
警備隊
「そ…それは貝殻のお守り!?」
警備隊
「オトヒメさまより特例が認められた
証ではないか」
警備隊
「失礼であったさぁ通られよ!」


警備隊
「この先は水龍さまの庭
警備隊
「暴龍と化してしまった水龍さまが
住まわれている場所だ」
警備隊
「下手に刺激して暴れさせては
この龍宮とてひと溜まりもないだろう」
警備隊
「努々油断される事なきように…」


(庭の中心に近付くとイビキが聞こえて来る)
イッスン
「……」
イッスン
「……!」
イッスン
「な な な…何ィィィィイ!?
イッスン
「ほ ほ ほ…
本当に水龍の野郎がいやがるぜェ!」
イッスン
「海で暴れ回ってる怪物野郎は―」
イッスン
「こんな所で
寝泊りしてやがるのかァ!?」
イッスン
「あのデカい口…
あんなモンの中に飛び込んで―」
イッスン
「本当に帰って来れるのかよォ?」
イッスン
「人間の腹ン中に入るのとは
ワケが違うんだぜェ!?」


(水龍の体内に入る)
イッスン
「…ついに飛び込みやがったなァ」
イッスン
「これが…水龍の腸ン中かィ」
イッスン
「ジメジメして
…それに随分と暑苦しいぜェ」
イッスン
「随分海で暴れたらしいが―」
イッスン
「胃液で溶かされた人間とか…
嫌なモン転がってねェだろうなァ?」
イッスン
「…こんな所を歩き回って―」
イッスン
龍玉とか言う玉コロ一つ
本当に見付かるのかァ?」


(錠前お化けの扉の先に進む)
イッスン
「…ありゃ何だァ?」
イッスン
「ブヨブヨ動いてる肉の中に―」
イッスン
「丸っこいガラス玉が
絡まってるぜェ!?」


(ガラス玉を調べる)
イッスン
「丸っこいガラス玉―」
イッスン
「玉コロって言やァ…ひょっとして…?」

イッスン
「この玉コロ…肉の触手が絡み付いて
雁字搦めだぜェ」
イッスン
「これだけ厳重に
守られてるって事ァ―」
イッスン
「…こりゃ水龍にとって
よっぽど大切な物のようだなァ?」

(触手に一閃を使う)
イッスン
「…ビクともしねェや」
イッスン
「これだけ厳重に
守られてるって事ァ―」
イッスン
「…こりゃ水龍にとって
よっぽど大切な物のようだなァ?」


(奥の部屋に進む)
イッスン
「…どうやらここで
行き止まりのようだぜェ」
イッスン
「ここが水龍の腸のどの辺りなのか
知らねェけど―」
イッスン
「あの真っ赤な液体
どう見ても危険極まりない感じだなァ」
イッスン
「落ちたら間違いなく
ジュ〜ッと溶かされちまいそうだぜェ!」


(天井を調べる)
イッスン
「何だァ? ずいぶん気持ち悪ィ
肉の塊があるぜェ」
イッスン
「…どうやらこの肉の塊が
液体を押さえ込んでるみてェだなァ」

イッスン
「この肉の塊真っ赤な液体
辛うじて押さえ込んでるけど―」
イッスン
「少しでも刺激を与えたら
今にも溢れて来ちまいそうだぜェ」


(肉の塊に一閃)
イッスン
「な…何かブヨブヨ動いたぜェ」
イッスン
真っ赤な液体
ポトポト落ちてくるし―」
イッスン
「気味が悪ィから
やたらにイジるんじゃねェ!」

(一閃二回目以降)
イッスン
「あの肉の塊…もしかして
真っ赤な液体をフタしてんのかァ?」
イッスン
「ヘタな事してあの肉の塊が
ジュ〜ッと溶けでもしたら…」
イッスン
「アマ公! …やっぱり
やたらにイジるんじゃねェ!」

(赤い液体を肉の塊に掛ける)
イッスン
「な…何やってんだィアマ公!?」
イッスン
真っ赤な液体
ボタボタと出て来たぞォ!」
イッスン
「あの肉の塊が溶けたら…
一体どうなるんだァ?」
イッスン
「……」
イッスン
「オイラもちょっと興味出て来たぜェ」

(三回掛けると肉の塊が溶ける)
イッスン
「ア…アマ公床中が赤い液体に
浸かっちまったぜェ!?」
イッスン
「オイラたちは
龍玉を探しに来てるってのに―」
イッスン
「お前デタラメに水龍の腸ン中を
引っ掻き回してねェか!?」


(玉を調べる)
イッスン
「肉の触手が絡み付いているこの玉コロ
何とかしなきゃならねェのに―」
イッスン
「お前のせいでこんなところまで
真っ赤な液体で浸かっちまったよォ」
イッスン
「あんまりフザけてると
液体にジュ〜と溶かされちまうぜェ


(一度液体で触手を溶かしてから調べる)
イッスン
真っ赤な液体で肉の触手が
溶けていってるぜェ!」
イッスン
「考えたなァアマ公
お前も頭が冴えて来たじゃねェか」
イッスン
「…でもまだ触手が絡み付いてらァ
もっと液体をかけてやろうぜェ!」

(三回掛けると外れた玉が液体を浄化して消し去る)
『 秘宝龍玉を手に入れた! 』
イッスン
「アマ公…やるもんじゃねェか!」
イッスン
「ついに噂の秘宝龍玉
手に入ったぜェ!」
イッスン
「こいつがありゃ水龍の力を操って
鬼ヶ島の結界を破れるんだろォ?」
イッスン
「…後はヒミコ姉が千里水晶で
鬼ヶ島が現れる場所を暴き出せば―」
イッスン
「敵の牙城はもう丸裸だィ!」
イッスン
「…でも玉コロを無理矢理
体から引っぺがしたけど―」
イッスン
「あれで良かったのかァ?」
イッスン
「と…とにかく
こんな所に長居は無用だィ」
イッスン
「玉コロはかっさらったし
サッサとお暇しようぜェ!」
(踵を返したアマテラスの周囲を紫色の光が取り囲む)
イッスン
「な…何だいこいつらァ!?」
イッスン
「…もしかして水龍に飲み込まれた
人間たちの怨念かよォ!?」
イッスン
「イ…イヤ
これは人間の魂なんかじゃねェ」
イッスン
「この不気味な色は…キツネ火だァ!」
(光が管狐に変化して戦闘、終了)
『 妖器 キツネ管を手に入れた 』
イッスン
「い…今の気味の悪いモンは―」
イッスン
「妖怪管ギツネを宿す竹筒…?」
イッスン
「キツネ管って言やァ…ボイン姉が
探してた秘宝
じゃねェか?」
イッスン
「ホレ! 妖魔を退治するための
絶世の宝物
とか何とか言ってた…」
(地鳴りが起こる)
イッスン
「お…おいやっぱりコレ―」
イッスン
「玉コロを無理矢理引っぺがしたから
まずい事になったんじゃ…?」
(あちこちから赤い液体が降って来る)
イッスン
「…このままじゃ胃酸で
溶かされちまわァ!」
イッスン
「とにかく出口まで突っ走れェ!!」


(脱出すると水龍が海の底へ沈んで行く)
イッスン
「す…水龍が…」
イッスン
「死んじまったァ…?」
イッスン
「アマ公これじゃお前
龍玉が手に入ったって―」
イッスン
「操る龍がもういねぇじゃねェか」
イッスン
「て事は…ヒミコ姉が鬼ヶ島の
現れる場所を暴いたとしても―」
イッスン
「島の結界を破る方法が
なくなっちまったって事じゃ…」
(水龍が沈んだ方から光が近付いて来る)
イッスン
「な…何か来るぞォ」
(光が人の姿を取り、神空間に移動する)
???
「慈母アマテラス大神…
初めてお目にかかる」
???
「今となっては
ゆっくり語る時間もないが―」
???
「貴殿には礼だけは言わねばなるまい」
イッスン
「礼…?」
イッスン
「あ…あんた誰だィ?」
???
「我が名は第二十七代龍神族族長―」
ワダツミ
龍王ワダツミである」
『 龍王 ワダツミ 』
イッスン
「龍王って…それじゃあんたあの―」
ワダツミ
「いかにも我こそが
この海原を治める海神水龍だ」
ワダツミ
「アマテラス大神よ
貴殿も存じている通り―」
ワダツミ
「いまナカツクニには大いなる乱
到来の兆しが見られる」
ワダツミ
「我が國龍宮もその戦塵は免れず…
大挙して押し寄せた妖魔に襲われた」
ワダツミ
「彼奴らの狙いは我が力…つまり
鬼ヶ島の結界を破る力を封じる事」
ワダツミ
「我は海神としての誇りを懸けて
妖魔軍の首領妖魔王と戦ったが…」
ワダツミ
「妖魔王の持つ妖器を奪って
この体内に禁固するのが精一杯で―」
ワダツミ
「それと引き換えに我は自我を失い
荒ぶる暴龍と化したのだ」
イッスン
妖魔の首領の妖器
そりゃもしかしてこの…」
ワダツミ
「妖器キツネ管
ワダツミ
「それがなければ
妖魔王は己の妖力を振るう事が出来ぬ」
ワダツミ
「…今頃彼奴らはそれを取り戻そうと
血眼になって探している事だろう」
イッスン
「こ…こいつは
妖魔王の生命線ってワケかィ」
ワダツミ
「アマテラス大神よ…そのキツネ管
貴殿にならば安心して預けられる」
ワダツミ
「それからこの水龍の心の臓龍玉を…
我が妻オトヒメに渡してくれぬか?」
ワダツミ
「我ら龍神族に伝わるその宝玉は
必ずや世に平安をもたらすはずだ」
ワダツミ
「おお…
我が命もはやこれまでのようだ」
ワダツミ
「乱心していたとは言え…我は
あまりに多くの人々を殺めてしまった」
ワダツミ
「せめてその者たちの魂の安楽を
この海の底で永遠に祈るとしよう」
ワダツミ
「両島原の民が愛した
この紺碧の海の底で…」
ワダツミ
「…さらばだアマテラス大神」
ワダツミ
「貴殿の武運を…祈っているぞ…」
(海へ沈んで行くワダツミ、龍玉の光がアマテラスを包む)

(龍宮に戻って来たアマテラス)
ツヅラオ
「おおアマテラス殿!
よくぞご無事で…」
イッスン
「ボ…ボイン…」
ツヅラオ
「浜辺から苦しみ暴れ狂う水龍が
見えたので―」
ツヅラオ
「もしやと思いこの龍宮へ
駆けつけたのだ」
イッスン
「ヘッへ心配なんかいるもんかよォ!」
イッスン
「天下の大神アマテラスさまだィ!
たとえ火の中水の中―」
ツヅラオ
「そ…それでアマテラス殿!」
ツヅラオ
「水龍は…水龍はどうなったのだ?」
ツヅラオ
「何か…鬼ヶ島を攻略する手掛かりは
見つかったのか!?」
イッスン
「…何だい今から
盛り上がるところだったのによォ」
イッスン
「あの水龍はこの龍宮の王サマで―」
イッスン
「悪い妖怪から龍宮を救うために
あんな風になっちまってたのさァ」
イッスン
「このキツネ管を妖魔軍の親玉から
奪い取ってよォ」
ツヅラオ
「そ…それがキツネ管…」
イッスン
「ん? …そう言えばボイン姉
このキツネ管を探してたよなァ?」
イッスン
「ええと…妖魔を退治するための
絶世の宝物
…とか何とか―」
イッスン
「…でもちょっと待てよォ?」
イッスン
「確かこいつはヒミコ姉が他の國から
取り寄せたとか言ってなかったかァ?」
イッスン
「…だから沈んだ宝物船まで
ワザワザ取りに行ったんじゃねェか」
ツヅラオ
「あ…危ない真似をさせた事を
まだ恨んでいるのならば詫びよう!」
ツヅラオ
「さぁ事は一刻を争うのだ」
ツヅラオ
「そのキツネ管を早く…
早くこちらへ!!」
イッスン
「ま…まァそう慌てるなってェ」
イッスン
「こいつは妖怪どもが血眼になって
探してる妖器だァ」
イッスン
「ヘタに持ってたら
それこそ妖怪どもの的にされて―」
(キツネ管をツヅラオに渡すアマテラス)
ツヅラオ
「ア…アマテラス殿?」
イッスン
「オイオイアマ公! …そんな気軽に
渡しちまっていいのかァ?」
ツヅラオ
「何とも怪しく艶かしい輝きを
放っておる」
ツヅラオ
「…とにかくこれさえあれば
我が法力を極限まで高め―」
ツヅラオ
「妖魔どもを片端から
退治る事が出来るわ!」
ツヅラオ
「いや…この力でヒミコさまを
お守りする事こそ我が本分…」
ツヅラオ
「アマテラス殿ご心配召されるな」
ツヅラオ
「このツヅラオ
今より都に馳せ参じ―」
ツヅラオ
「命に懸けて
己の役目を果たすものなり!」
(立ち去るツヅラオ)
イッスン
「命を懸けてって…だから
死んじまったらダメなんだってェ!」
イッスン
「…行っちまったァ」
イッスン
「…おっとォアマ公!」
イッスン
「ポアッとしてないで
水龍から頂いてきた龍玉を―」
イッスン
「早いとこワカメ姉ちゃんに
届けようじゃねェか」
イッスン
「水龍の力は
もう借りられないかも知れないが―」
イッスン
「…龍玉は龍神族の宝物だァ」
イッスン
「キチンと返してやろうぜェ」


(庭を浄化し、玉手箱を持って部屋を出る)
警備隊(イソギンチャク)
「…ほう!?」
警備隊
「貴殿が持っているその箱は
あの玉手箱ではないか!」
警備隊
「玉手箱はその中に人魚の溜息を
詰め込んだ異郷の箱で―」
警備隊
「千年に一度だけ生える
千年珊瑚の根元に現れるのだ」
警備隊
「その箱は人魚が殺される度に
重くなり―」
警備隊
「その中から漏れる溜息は
瞬く間に人を老いさせると言うが―」
警備隊
「…まぁあまりに古い伝承で
本当のところは誰にも分からんがな」


警備隊
「人魚の肉はそれを食べた人間に
千年の命を与えるため―」
警備隊
「様々な悲劇が繰り返されて来た」
警備隊
「…そう言えば遥か昔海で溺れて
この龍宮に流れ着いた男を―」
警備隊
「やむなく人魚の肉で蘇生させたという
話を聞いた事があるな」
警備隊
「果たしてそれが
本当に良かったのかどうか…」


警備隊(青巻貝)
「お主…水龍さまの庭へ出入りして
何をやっているのだ?」
警備隊
「ヘタに水龍さまを刺激をすると
この龍宮が破壊され兼ねんぞ!?」


(違う所に行こうとする)
イッスン
「ままま…待てよォ!」
イッスン
龍玉だけはキチンと
ワカメ姉ちゃんに返そうぜェ」
イッスン
「…お前もそれくらい
分かってるだろォ?」


(玉座に近付く)
イッスン
「帰ったぜェワカメ姉ちゃん!」
オトヒメ
「おおよくぞご無事で!」
オトヒメ
「して…龍玉はどこに?」
(龍玉を渡す)
オトヒメ
「何と…水龍さまの体内より
見事龍玉を持ち帰られるとは!」
オトヒメ
「このオトヒメお礼の言葉も
見つかりません」
オトヒメ
「この龍玉があれば―」
オトヒメ
水龍さまの力を借り
鬼ヶ島の結界を破る
事が出来ます!」
イッスン
「…その水龍だけどよォ」
イッスン
「その玉コロを引っぺがしたら…
海の底に沈んじまったぜェ」
イッスン
「イヤ…水龍じゃなくて
龍王と言った方がいいかィ?」
イッスン
「つまり―」
イッスン
「…あの龍王のオッサンはアンタの―」
オトヒメ
「お察しの通り」
オトヒメ
「水龍に変化していた龍王ワダツミは
我が夫にございます」
オトヒメ
「龍王は妖魔の軍勢と
干戈を交えるため―」
オトヒメ
「龍神族の長だけが成し得る変化の儀で
龍の姿になったのです」
オトヒメ
「戦に破れて心ならずとも暴龍と化し
竟を待つ身と成り果てましたが―」
オトヒメ
「しかし長が倒れたとあらば
世継ぎが宿願を果たすは一族の定め」
オトヒメ
「龍の力の結晶龍玉は如何なる困難が
あろうと取り戻さなければなりません」
オトヒメ
「この度龍玉を得るには龍王の命を
絶つ以外にありませんでしたが…」
オトヒメ
「イッスン殿
…先にも申し上げた通り―」
オトヒメ
「我々は元より
龍王とて全て覚悟の上」
オトヒメ
「この度の事での躊躇など
露ほどもありはしないのです!」
イッスン
「……」
オトヒメ
「さてアマテラス殿
龍王は妖魔王の妖器を封じていたはず」
オトヒメ
「あれは今どこに?」
イッスン
「妖器キツネ管かィ」
イッスン
「…あれならヒミコ姉の使いが来て
持って行ったぜェ」
イッスン
「その力で妖魔どもを
ブッ倒すとかでよォ」
オトヒメ
「ヒミコ殿の使いが…?」
オトヒメ
「確かにあの妖器には底知れぬ力が
宿っておりますが―」
オトヒメ
「しかし妖魔どもも四方八方
手を尽くして探している曰く付きの物」
オトヒメ
「その使いの者に妖魔の追っ手が
付かねば良いのですが…」
オトヒメ
「もしもあのような物が再び妖魔の手に
落ちようものならまた悲劇が―」
(突然龍玉が輝き出す)
イッスン
「ど…どうしたんだァ急に!?」
オトヒメ
「これは…もしや…」
オトヒメ
「龍王ワダツミの最後の託宣!」
(龍玉に黒い影に追われるツヅラオの映像が映る)
オトヒメ
「今の映像は一体!?」
イッスン
「アマ公急げェ!」
(走り出すアマテラス)
オトヒメ
「アマテラス殿!?」
イッスン
「ワカメ姉ちゃん話は後だぜェ!」
イッスン
「悪い予感的中だィ
ひとっ走り餡刻寺へ行って来らァ!」
(走り去るアマテラス)
オトヒメ
「アマテラス殿!
望みはまだ残されておりまする!」
オトヒメ
「我はここでヒミコ殿のお告げを
待ちます故―」
オトヒメ
「いずれ鬼ヶ島の現れる場所にて
落ち合いましょうぞ!」
オトヒメ
「貴殿に水龍さまの守りのあらん事を!」


(誰かに話し掛けようとする)
イッスン
「アマ公
チンタラ話してる時間はないぜェ!」
イッスン
「今はボイン姉を助けるために
餡刻寺へ急ぐんだァ!」


(霧飛・水飛を使おうとする)
イッスン
「ちょっと待ったァアマ公!」
イッスン
「こんなモン使って
どこまで旅に出向くつもりなんだィ!」


兵士(左)
「ついさっき御触れが出て
西安京は今完全に封鎖中だ」
兵士(左)
「…だからここからは
何人たりとも通す事が出来ん」
兵士(左)
「犬っころお前には悪いが―」
兵士(左)
「警備が解かれるまで
その辺で散歩でもしていてくれ」


兵士(左)
「西安京には
立て続けに災厄が起こっていたが―」
兵士(左)
「これほど厳重な警戒体勢は
我々も初めてだ」
兵士(左)
「…中で何かあったのだろうか?」


兵士(右)
「御触れにより
いま西安京は完全封鎖中だ」
兵士(右)
「たとえワン子でも
中に入れる事はまかりならん!」
兵士(右)
「…警備が解除されるまで
暫く待っておれ」


兵士(右)
「なぜ急にこのような御触れが
出されたのか分からんが―」
兵士(右)
「…ともかく警備が解除されるまで
暫く待っておれ」


(餡刻寺に近付くとツヅラオが手招きをして門の中へ消える)
イッスン
「あっボ…ボイン姉!」
イッスン
「…消えたァ?」

(門に近付くと手招きをしながら石段を昇って行くツヅラオの姿が)
イッスン
「ま…待てよォボイン姉!」
イッスン
「…こっちへ来いって事かァ?」

(石段を上り切ると庭の奥の方へ手招きをしながら消えて行くツヅラオ)
イッスン
「またかよォ…」
イッスン
「オイラたちをどこへ
連れて行こうってんだィ!」

(寺の裏に回ると手招きをするツヅラオの姿が岩壁に吸い込まれる)
イッスン
「!?」
イッスン
「アマ公今の見たかァ!?」
イッスン
「ボイン姉が…壁の向こうに…?」

(抜け穴の中の井戸を調べる)
イッスン
「まさかこんな所に
隠し通路があるなんてなァ」
イッスン
「井戸から風が吹いてきてやがる…」
イッスン
「この井戸は間違いなく
ボイン姉の元へ続いてるぜェ」
イッスン
「アマ公急げェ!」
イッスン
「"考える前に飛び込め"ってなァ!」


(井戸を降りるとすぐ傍に白骨死体が)
イッスン
「…こんな所に死体が転がってるぜェ」
イッスン
「ずいぶん長い間
野晒しになってたのか―」
イッスン
「スッカリ白骨になっちまってらァ」
イッスン
「それにしてもこの服…
どっかで見た事ねェか?」


(ヒミコの神殿の宝物庫から出る)
イッスン
「あれェ?」
イッスン
「ここは…ヒミコ姉の神殿じゃねェか」
イッスン
「…どうして餡刻寺から
こんな所に通じる横穴があるんだァ?」


(門に近付く)
イッスン
「ちょ…ちょっと待てよォ!」
イッスン
「さっきのボイン姉の導き…
何か意味があるんじゃねぇのかァ?」
イッスン
「あんな風に黙り込んで…
あんなに悲しそうな顔して―」
イッスン
「ありゃいつものボイン姉じゃ
なかったぜェ!」
イッスン
「一体…オイラたちを
何処へ連れて行こうとしてたんだァ?」

イッスン
「アマ公待てってェ!」
イッスン
「あのボイン姉の悲しそうな顔…
絶対何か意味があるに違いねェ!」
イッスン
「でも…一体オイラたちを
何処へ連れて行こうとしてたんだァ?」


ヒミコの侍女
「ヒ…ヒミ…コ…さま…」
ヒミコの侍女
「ヒミコ…さま…!」
イッスン
「お…おい姉ちゃん
どうしたんだァ!?」
ヒミコの侍女
「……」
イッスン
「気ィ失っちまった…」


ヒミコの侍女
「……」
イッスン
「駄目だァ気ィ失っちまってるぜェ」
イッスン
「ヒミコ姉が…どうしたんだァ!?」


(部屋の真ん中で倒れているヒミコに近付く)
イッスン
「何だ…何だィこりゃあ!!」
イッスン
「ヒミコ姉…ヒミコ姉!!」
イッスン
「……」
イッスン
「ヒミコ姉が―」
イッスン
「し…死んじまってる…」
(壁際で震えているツヅラオ)
ツヅラオ
「お…恐ろしや…」
ツヅラオ
「身の丈十丈ほどもある化け物が
現れて―」
ツヅラオ
「千里水晶の結界を破って
ヒミコさまをあのようなお姿に…!」
イッスン
「…ボイン姉?」
イッスン
「化け物って…さっき餡刻寺で
ボイン姉に襲い掛かってた―」
イッスン
「あのデカい怪物の事かァ?」
ツヅラオ
「我は…」
ツヅラオ
「我は恐ろしい…!」
ツヅラオ
「都の民を苦しみから救うため
退治せんと立ち向かっていた怨敵妖魔…」
ツヅラオ
「その首領があのように強大な
魔物だったとは!」
ツヅラオ
「あれほどの妖魔…如何に抗おうとも
人間の力では―」
ツヅラオ
「脆弱な人間の力では敵うはずもない!」
イッスン
「…くっそォ!」
イッスン
「ヒミコ姉…千里水晶の結界があれば
大丈夫だって言ってたのに―」
イッスン
「何でこんな事になっちまったンだ!」
イッスン
「アマ公…
どっちを向いてやがんだィ!」
イッスン
「ヒミコ姉が死んじまって…
お前悲しくないのかよォ!」
(吠えてツヅラオに向け戦闘体勢を取るアマテラス)
イッスン
「…アマ公?」
ツヅラオ
「アマテラス殿…?」
ツヅラオ
「こ…これは一体どうした事か?」
イッスン
「アマ公…お前何やってンだ?」
ツヅラオ
「もしや―」
ツヅラオ
「もしや妖魔の術にかかり
正気を失ってしまったのでは!?」
イッスン
「何をォ!?」
ツヅラオ
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時(かんじざいぼさつ ぎょうじはらみったじ)
照見五蘊皆空 度一切苦厄…(しょうけんごうんかいくう どいっさいくやく)」
ツヅラオ
「舎利子 色不異空 空不異色(しゃりし しきふいくう くうふいしき)
色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是…(じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ)」
(ツヅラオに飛び掛かるアマテラス)
イッスン
「な…何だァオイ…」
イッスン
「ボ…ボイン姉…そ…その―」
イッスン
「その顔は何だァ!?」
ツヅラオ
「ククククク…」
ツヅラオ
「クカカカカカ!!」
(ツヅラオの瞳が赤く変化している)
ツヅラオ
「…まぁ茶番をあまり引っ張るのも
興醒めだろう」
ツヅラオ
「アマテラス…やはりお前は食えぬ奴だ」
ツヅラオ
「水龍のエサにしてくれようと
沖合いの宝物船に誘い出すも…」
ツヅラオ
「水龍から逃げ果せたばかりか
秘宝打ち出の小槌を手に入れ―」
ツヅラオ
「都に仕掛けた毒の霧まで
晴らしてしまいおった」
ツヅラオ
「そして我が城塞鬼ヶ島
攻め落とさんと探りを入れ―」
ツヅラオ
「ついには龍宮まで出向いて
水龍さえ手懐けるとはな」
イッスン
「ボイン姉…!?」
ツヅラオ
「…しかしその水龍が海の藻屑と
消えた今我が城の結界は磐石!」
ツヅラオ
「何よりヒミコがこの通り
屍となっては―」
ツヅラオ
「鬼ヶ島の現れる場所を知る事さえ
出来まい!」
ツヅラオ
「クククククそれにしても…」
ツヅラオ
「ツヅラオとか言う尼僧に
成り済ましてヒミコに近付いたが―」
ツヅラオ
「…こうも容易く千里水晶の結界を破る
好機が巡って来ようとはな」
イッスン
「アマ公…こいつ一体!?」
ツヅラオ
「全ては水龍に奪われた我が獲物―」
ツヅラオ
「妖器キツネ管が我が手に
戻ったればこそだ!」
ツヅラオ
「アマテラス…お前も愚か者よ!」
ツヅラオ
「水龍が乱心してまで抱え込んでいた
この妖器をむざむざ手放し―」
ツヅラオ
「この妖魔王に失われた妖力を
呼び戻させてしまったのだからな!」
(本性を現す化け九十九尾)
イッスン
「まさかこいつが妖魔の首領―」
イッスン
「妖魔王!?」
化け九十九尾
「このキツネ管を手にした我の前には
千里水晶の結界などガラス同然」
化け九十九尾
「慌てふためくヒミコの最期…
貴様らにも見せてやりたかったわ」
化け九十九尾
「ついでにこの水晶玉も頂いておくか」
化け九十九尾
「またつまらぬ輩が
我に楯突く事がないようにな」
(千里水晶を飲み込む化け九十九尾)
化け九十九尾
「…そしてアマテラス
お前をここで始末すれば―」
化け九十九尾
「我等妖魔の天下が
やって来ると言うわけだ!」
イッスン
「龍王のおっさんが見せてくれた
龍玉の託宣は―」
イッスン
「この女ギツネ野郎が本物のボイン姉を
食い殺した…過去の映像だったンだ」
イッスン
「畜生…うまい具合に
今まで妖気を隠してやがったなァ」
イッスン
「…その上ヒミコ姉まで
あんな風にしちまいやがってェ!」
イッスン
「でも鬼ヶ島の現れる位置なんか
知る必要はねェ…」
イッスン
「今ここでてめェを鬼ヶ島へ
帰れなくしてやるんだからなァ!!」
(戦闘終了、吹き飛ばされた九十九尾が千里水晶を吐き出す)
イッスン
「よォしアマ公
女ギツネ野郎は虫の息だァ!」
イッスン
「このまま一気に畳み掛けるぜェ!」
(九十九尾から九本の尾が出現、黒い妖魔の影に変化する)
???
「襤褸畜生メ…調子ニ乗ルナ!」
???
「貴様如キニ使ウ力デハナイガ―」
???
「妖魔王ノ本領
ホンノ少シダケ味ワッテ見ルカ!!」
(尾の攻撃に吹き飛ばされるアマテラス、しかし柱にぶつかり尾が止まる)
???
「チィッ…!」
???
「コンナ窮屈ナ部屋デハ
満足ニ暴レル事モ出来ヌワ」
???
「…部屋ノ狭サニ救ワレタナ
田舎大神!」
???
「ダガモハヤ貴様ラニハ
タダ一ツノ希望サエ残サレテハオラヌ」
???
「我ハ今ヨリ鬼ヶ島ヘ戻ッテ
妖魔軍ノ兵力ヲ立テ直シ―」
???
「ジックリトコノ世ヲ
攻メ滅ボシニカカルトシヨウ!」
???
「クカカカカカカカ!」
(光に包まれ消える???)

「寸でのところで妖魔王を
取り逃がしたアマテラス」
「本性を現した妖魔王の妖力は
アマテラスさえ怯ませるほどじゃった」
「そして…アマテラスとイッスンの
心には深い悲しみだけが残された」
「鬼ヶ島の現れる場所を探るため
祈祷を続けていた女王ヒミコ」
「…そのヒミコが妖魔王の手に掛かり
尊い命を散らしたのじゃ」
「水龍そしてヒミコ…鬼ヶ島へ
渡るための導きが悉く消え失せ―」
「今やアマテラスたちにはただ一つの
希望さえ残されておらんかった」
「…そう諦めかけたその時じゃ」
「なんと妖魔王が吐き出して
血だまりに転がる千里水晶に―」
「死んだはずの女王ヒミコの姿が
浮かび上がったではないか!」
「これは夢かと目を疑うイッスンに
ヒミコは優しく語り始める」
「…鬼ヶ島が現れる場所を探る事は
並の力では到底成し得ない…」
「だから己が自ら魂となって
千里水晶に乗り移り―」
「妖魔王の妖力を利用するため
その腹の中に飲み込まれたのだと…」
「アマテラスが妖魔王にキツネ管を
与えたのもそれを知っての事じゃった」
「…全てはヒミコの謀だったのじゃ」
「そしてヒミコの思惑通り
千里水晶は驚くほどの力を蓄え―」
「ついにその映し絵に
怨敵妖魔軍の城塞を暴き出した」
日の入りと共に忽ちその場所を変える
神出鬼没の鬼ヶ島

「千里水晶が予言した
その島の現れる場所とは…」
「両島原の北西の海岸―」
天望岬の沖合いじゃった」
「鬼ヶ島は次の日の入りが訪れるまでの
たった一日だけその天望岬に現れる」
「それがアマテラスたちに残された
最後の望みじゃった」
「それを映し終えた途端―」
「千里水晶に映るヒミコの姿を
深い亀裂が引き裂いた」
「強大な妖力で
妖魔の牙城を暴いた代償に―」
「千里水晶はその寿命を
使い果たしたのじゃ」
「そしてヒミコの魂もまた
千里水晶と共に果てる運命にあった」
「千里水晶は眩い光を発して
砕け散り…」
「ヒミコの魂はその光の吹雪に
包まれながら―」
「静かに天へと昇って行った」
「アマテラスたちの行く道に
幸多からん事を祈りながら…」
イッスン
「アマ公! …鬼ヶ島が消えちまう
日の入りまでもう時間がねェ」
イッスン
「ヒミコ姉が命を懸けて
教えてくれた託宣―」
イッスン
「…絶対に無駄にするわけには
行かないぜェ!」
イッスン
「鬼ヶ島の結界を
破れようが破れまいが構うもんかィ」
イッスン
天望岬を目指して
突っ走れェアマ公!」


イッスン
「ヒミコ姉…」
イッスン
「…馬鹿野郎ォ!」

(頭突き)
イッスン
「アマ公…気持ちは分かるけど―」
イッスン
「そんな事したってヒミコ姉は…!」


(誰かに話し掛けようとする)
イッスン
「オイオイオイ!
早くしないと日が暮れちまうってェ!」
イッスン
天望岬を目指して
突っ走れェアマ公!」

(何かを調べようとする)
イッスン
「オイオイ
何をゴソゴソしてんだィ!」
イッスン
「さっさと天望岬に向かわなきゃ
鬼ヶ島が消えてなくなっちまうよォ!」


(光明を使おうとする)
イッスン
「…!?」
イッスン
「お…お天道サマが
出ないじゃねェか!?」
イッスン
「まさか妖魔王の野郎
鬼ヶ島の場所を暴かれたモンだから―」
イッスン
「妖術で光明の筆業を
封じやがったンだ!」

(光明二回目以降)
イッスン
「ダメだァ!」
イッスン
「アマ公そんな事より急ぐんだよォ!」


(月光を使おうとする)
イッスン
「ままま待てよォ!」
イッスン
「夜になったら鬼ヶ島が別の場所に
消えちまうじゃねェか!」
イッスン
「ヒミコ姉の命を懸けた託宣…
無駄にするんじゃねェ!」


(都を出ると)
兵士(左)
「い…犬っころ!?
お前どうやって都に入ったんだ?」
兵士(左)
「この警戒体勢で
通れる者などいるはずがないのだが…」
兵士(左)
「…まぁ犬一匹くらいは見逃してやるか」
兵士(左)
「お前のそのトボケ面じゃ
妖魔が化けてるって事もないだろ」


兵士(右)
「お前…さっきまで
その辺をウロついてなかったか!?」
兵士(右)
「厳重に警備していたつもりだったが
まんまと都へ入られてしまうとは…!」
兵士(右)
「お前のような無害そうな
ワン子だったから良かったものの―」
兵士(右)
「妖魔など通さぬよう
気を引き締めねばな!」


兵士(左)
「相変わらず西安京は警戒態勢だ」
兵士(左)
「…しかしさっきから胸に迫る
この異様な不安感は何だろうか?」
兵士(左)
「何も起こらなきゃいいんだが…」


行商人
「おいおい…
そんなに血相変えてどうしたんだい?」
行商人
「急ぎのお使いなら
ここで済ませて行きなよ!」


行商人
「ホラ…落ち着いて落ち着いて!」
行商人
「急ぎのお使いなら
ここで済ませて行きなよ!」


(間に合わなかった場合)
イッスン
「ひ…日の入りの時間が
来ちまったァ!?」
イッスン
「て事は…?」
イッスン
「鬼ヶ島は天望岬の沖合いから
姿を消して―」
イッスン
「オイラたちにはもう永遠に
見つけられないって事かよォ!」
(両島原北の入り口に移動している)
イッスン
「…!?」
イッスン
「オ…オイラって奴ァ
何て縁起でもねェ事を考えるんだァ!」
イッスン
「バカバカバカバカオイラの馬鹿野郎!」
イッスン
「…おっとォ
こんな事してる時間も惜しいンだ」
イッスン
「ヒミコ姉が命を懸けて
教えてくれた託宣―」
イッスン
「…絶対に無駄にするわけには
行かねェ!」
イッスン
「鬼ヶ島の結界を
破れようが破れまいが構うもんかィ」
イッスン
天望岬を目指して
突っ走れェアマ公!」