(神州平原に出ると自動で朝になりサクヤが現れる)
サクヤ
「アマテラス大神」
サクヤ
「大業成し遂げ給うたばかりで
もう旅立たれるとは…」
サクヤ
「このサクヤ
まこと痛心に堪えません」
イッスン
「何だいサクヤの姉ちゃん
こんな所までお見送りなんて―」
イッスン
「ナカツクニを見行わす
ご神木の精霊にしちゃ心配性だなァ?」
サクヤ
「しかし…
ヤマタノオロチが息絶えた刹那―」
サクヤ
「おぞましき妖気の渦が立ち昇るのを
私はハッキリと見ました」
サクヤ
「この度の騒乱で私が感じていた
強大な妖気はオロチではなく―」
サクヤ
得体の知れない別の何かのもの
だったのでしょうか…?」
サクヤ
「貴方のお陰でこの神州平原も
斯くの如く蘇りましたが―」
サクヤ
「このナカツクニではまだ至る所で
生けるものの悲鳴が聞こえます」
サクヤ
「取り分け…
高宮平の大跳ね橋を渡った向こう―」
サクヤ
両島原の都から聞こえる叫喚は
まさに地獄を思わせるものなのです」
イッスン
「オ…オイラたちは
丁度今からそこへ行こうと―」
サクヤ
「そしてオロチの骸より現れ出でた
妖気の渦の幾つかは―」
サクヤ
「その都の方角を目指して
飛び去りました」
サクヤ
「これが何を意味するのかは
このサクヤには分かりませんが―」
サクヤ
「天地を混迷の渦に陥れる
宿世の縁が―」
サクヤ
「未だ終わりを告げていないのは
確かなようです」
イッスン
「ちょっとサクヤの姉ちゃん!」
イッスン
「これからっていうオイラたちに…
もっとマシな話はないのかよォ!?」
サクヤ
「…そうでしたね」
サクヤ
「幾多の困難が
行く末に待ち受けようとも―」
サクヤ
「大神たる貴方ならば必ずや
大儀を全うされ給うに違いありません」
サクヤ
「あなた方の歩まれる道々に―」
サクヤ
「花の香の守りがあらんことを
お祈り申しております」
サクヤ
「アマテラス大神そしてイッスン…
幾久しくお健やかに!」
(サクヤの姿が消える)
イッスン
「…消えちまったァ」
イッスン
「幾久しくお健やかにィ…じゃねぇよォ
あんな話なんかしやがってェ!」
イッスン
「まァハナからそう簡単に
筆業が集まるとも思ってねェや」
イッスン
「都を目指して…まずは高宮平の関所
行ってみようぜェ!」


行商人
「やぁワン子
お前も無事だったのかい!?」
行商人
「神木祭りの夜…どうも気味の悪い雲が
空に広がっていたと思ったら―」
行商人
「…あの夜ヤマタノオロチが
蘇ったんだって言うじゃないか!」
行商人
「それだけじゃないよ」
行商人
「酒職人のクシナダさんが
生贄に召し取られそうになったのを―」
行商人
「スサノオとか言う男がオロチを
退治して助け出したんだって!?」
行商人
「…もう全てが神話のような出来事で
私は信じられないなぁ」
行商人
「でも…もしもその話が本当なら―」
行商人
「妖怪たちのいたずらも
少しは大人しくなるかな?」
行商人
「…ワン子だって
遊びやすくなるだろうねぇ!」
行商人
「いや…お使いの方が忙しくて
それどころじゃないかな?」
行商人
「今日はないのかい?
…お使いの頼まれ物は!」


名も無き男
「来たな目利きの白狼斎!」
名も無き男
「…俺が付けたお前の呼び名だ
まぁ気にするな」
名も無き男
「それより丁度いまお待ちかねの
第三作目が焼きあがったぞ!」
『 一輪挿し 第三作 錆駒だ! 』
名も無き男
「そのシブい色合い…
お前なら分かってくれるだろ?」
名も無き男
「俺とお前の仲だ
遠慮なく持って行け!」


名も無き男
「お前も段々陶芸の魔力に
魅せられてきたようだな」
名も無き男
「お前も土をこねてみたらどうだ?
ハッハッハ!」


名も無き男
「おお白狼斎!
相変わらず目ばかりか鼻も利く奴だな」
名も無き男
「察しの通り…
渾身の第四作目ならもう出来ている!」
『 一輪挿し 第四作 鳶駒だ! 』
名も無き男
「どうだ…その色合いは
この俺でもそう簡単には出せんぞ」
名も無き男
「さぁ持って行け
そしてお前の思うまま使ってくれ」


名も無き男
「お前は"用の美"という言葉を
知っているか?」
名も無き男
「使えば使うほど
物はその魅力を光らせる」
名も無き男
「その一輪挿し…お前の思うままに使い
磨いてやってくれ」


名も無き男
「白狼斎よ…次の作品の完成には
まだまだ時間が掛かるぞ」
名も無き男
「持てる情熱の全てを注ぎ込んで
最高と呼べる物を作りたいからな」
名も無き男
「そして…それが俺の
最後の作品になるはずだ…」
名も無き男
「…まぁ焦っても良いものは作れん
お前もあまり当てにせず待っていろ」


イダテン
「よぅワン子!」
イダテン
「俺っち方々走り回ってるから
気付かなかったが―」
イダテン
「スサノオがあのヤマタノオロチと
どこぞで一戦やらかしたんだってぇ?」
イダテン
「あのおっさん
やるもんじゃねぇか!」
イダテン
「これで妖怪どもも大人しくなって
この神州平原も走りやすくなるかねぇ」
イダテン
「…それよりワン子!
勝負の事は忘れちゃいまいなぁ?」
イダテン
「あれからみっちり鍛えたから
昔の俺っちとはワケが違うぜ!」
イダテン
「話をするのももどかしいや
行くぜぇ!」

イダテン
「用意…」
イダテン
ドン!

イダテン
「ふぃ〜っ!!」
イダテン
「ま…また
追い付かれちまったってのかい!?」
イダテン
「この野郎…
やっぱりお前さんは大した奴だぜ」
イダテン
「こいつぁ二本目もやられちまったなぁ
ハッハッハ!」


イダテン
「大した走りをしやがるオオカミだぜ」
イダテン
「この黄金の両足にもっと磨きを
かけておくからまた遊んでくれよ!」


タマヤ
「あ〜あ…今年の祭りも
終わっちまったなぁ…」
タマヤ
「何だかすっかり
燃え尽きちまったぜ」
タマヤ
「またあの激しい日々が
巡って来ねえモンかなぁ…」
タマヤ
「バンバンバーン! …と
爆発に身を焦がすあの日々がよぉ…」
イッスン
「…何だい兄サン
すっかり黄昏れちまってんなァ」


タマヤ
「俺の季節が終わっちまった…」
タマヤ
「爆発に身を焦がすあの日々がよぉ…」
イッスン
「オイオイ兄サン
シャキッとしろィ!」
イッスン
「アマ公ドーンとやっちまおうぜェ
ドーンとよォ!」

(頭突き)
タマヤ
「ダメだぁ
その程度じゃまるで燃えねぇ」
タマヤ
「もっとこう…
バンバンバーン! …って来ねえとよぉ」

(頭突き二回目)
タマヤ
「ダメだぁ
その程度じゃまるで燃えねぇ」
タマヤ
「もっとこう…
バンバンバーン! …って来ねえとよぉ」
イッスン
「…こりゃ一筋縄には行かねぇなァ」
イッスン
「一度にもっとすげェ刺激を
与えなきゃ効きそうにないぜェ?」


ミカヅキ
「スサノオが怪物退治をしたと
聞きましたが―」
ミカヅキ
「やはりそれは本当なのでしょうか?」
ミカヅキ
「言われて見れば心なしか神州平原の
妖怪たちも大人しくなったような…」
ミカヅキ
「それに…
十六夜の祠はなくなったままですが―」
ミカヅキ
「いつの間にか湖の真ん中に
小さな道祖神が祀られているのです」
ミカヅキ
「男女が仲良く手を取り合った
小さな小さな道祖神―」
ミカヅキ
「あの怪物の呪いは
もう完全に消え去ったのでしょうか…」


ミカヅキ
「十六夜の祠の跡に現れた
小さな小さな道祖神」
ミカヅキ
「男女仲良く手を取り合って―」
ミカヅキ
「…もしかしたら怪物の犠牲となった者が
生まれ変わった姿かも知れませんね」
ミカヅキ
「残念ながら宝剣月呼は
失われたままですが―」
ミカヅキ
「まぁいざという時にはスサノオに
任せましょう!」


ミカヅキ
「ハラミ湖の真ん中の十六夜の祠…」
ミカヅキ
「小さくても恐ろしい怪物の魂を祀った
由緒正しき祠なのです」
ミカヅキ
「お前たちも時には立ち寄って
お参りするのですよ」


(祠跡の道祖神を調べる)
イッスン
「…こんな所に道祖神があるぜェ」
イッスン
「十六夜の祠の消えた後に
ポツンと立って―」
イッスン
「土地の神サマが呪いを祓おうと
してくれているのかもなァ」
イッスン
「…そう考えるとナリは小さくても
力強く見えてくるぜェ!」


イッスン
「ナリは小さくても立派な神サマだィ」
イッスン
「キレイな花でも飾って
労ってやろうぜェ」



スサノオ
「おお兄弟よ
元気に過ごしておるか?」
スサノオ
「慢心こそ一番の敵
一日も怠らず鍛錬をせねばな!」
スサノオ
「そして我が名を天下に轟かせ
クシナダちゃんの心をゲット…」
スサノオ
「イ…イヤ! 妖怪どもを
震え上がらせるのだ!」
イッスン
「こりゃおっさん
進歩してそうにねぇなァ…」


スサノオ
「兄弟よ…心技体に
日々磨きをかけておるか?」
スサノオ
「しかしオロチとの戦いを思い返すに…
あれは実に奇跡的な勝利であった」
スサノオ
「我が祖先イザナギの教えがなければ
勝てたかどうか分からぬ」
スサノオ
「慢心こそ一番の敵
一日も怠らず鍛錬をせねばな!」
スサノオ
「それにしても百年前オロチを退治し
村を救った英雄イザナギ…」
スサノオ
「一体どんな男だったのか…
適う事なら是非会って見たいものだ」

(頭突き)
スサノオ
「あ痛ぁ!!
ひ…人が本調子でない時に卑怯な!」
イッスン
「おっさん
鍛錬を怠りまくってんだろォ!」


クシナダ
「シロちゃん今日も元気そうね!」
クシナダ
「そうそう私が作った
新酒雷撃酒―」
クシナダ
「お祭りの時みんなに振舞ったんだけど
あれから全然売れないのよねぇ」
クシナダ
「ちょっとみんなには
刺激が強すぎたのかしら?」
クシナダ
「…今度は疲れた体を癒すような
お酒造りに挑戦しようかな!」
クシナダ
「お酒が大好きなあの人のために…
ウフフッ」
イッスン
「ま…まさかそれって…」


クシナダ
「シロちゃんご機嫌いかが?」
クシナダ
「今年は稲の出来も
すごく良いみたいで―」
クシナダ
「今から収穫が楽しみなの!」
クシナダ
「あの人…
今年も手伝ってくれるかなぁ…?」
イッスン
「ク…クシナダの姉ちゃん…!?
人生早まっちゃいけないぜェ!」

(頭突き)
クシナダ
「もう! シロちゃんったら」


ミカン婆
「…お祭りも終わって
またのんびりした雰囲気が戻ったよ」
ミカン婆
「いろいろ大変な事があったけど―」
ミカン婆
「来年のお祭りもまた楽しみたいねぇ」

(頭突き)
ミカン婆
「おやおやお前もうれしいのかい?」


ムシカイ
「おっ穴掘り王シロ!」
ムシカイ
「オイラとハヤブサの絆が深まって
大根掘りに磨きが掛かったから―」
ムシカイ
「母ちゃんの奴益々ピリピリさ」
ムシカイ
「でもお前の10連続大根掘りの偉業は
いつまでもこの村の名誉記録だぜ!」


ムシカイ
「でもオイラ…本当は知ってんだ」
ムシカイ
「ハヤブサは本当のハヤブサじゃねぇ…
本物はとっくに死んじまったってさ」
ムシカイ
「だって…ずっと昔オイラの父ちゃんが
森で妖怪に殺されちまったあの夜―」
ムシカイ
「一緒にいたはずのハヤブサが
一人無傷で帰って来たんだぜ」
ムシカイ
「まさかあのハヤブサが…父ちゃんを
見捨てて帰って来るはずがねぇ」
ムシカイ
「本物は父ちゃんを守るために妖怪と
刺し違えるまで戦ったに違いねぇんだ!」
ムシカイ
「…でもあいつが偽者のハヤブサか
どうかなんてもうどうでもいいや」
ムシカイ
「だってあいつ飛んでくる矢から
命懸けでオイラを助けてくれただろ?」
ムシカイ
「そいつがオイラの側にいてくれる…
そんだけで充分だい!」


ムシカイ
「穴掘り王シロ
…オイラもやるぜ!」
ムシカイ
「腕っ節を鍛えて…ハヤブサみてぇに
弱い人を守れる男になるんだ!」
イッスン
「そりゃいい意気込みだァ…でも
まずは母ちゃんの大根を守りなィ!」


ハヤブサ
「"オレのご主人さま
最近何か変わった」
ハヤブサ
「二つの目今じゃなく未来見てる!"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「良かったじゃねェか
大根掘りももうすぐ卒業だぜェ!」


ハヤブサ
「"オレにも未来見える…」
ハヤブサ
「ご主人さまが強い戦士になった姿
見える!!"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「ハヤブサの予言…
今度は当たるといいなァ」


ムシカイの母ちゃん
「最近は妖怪どもが静かになったって
話を聞くだに―」
ムシカイの母ちゃん
「うちの畑はいつまで経っても
荒らされっ放しだぁよ!」
ムシカイの母ちゃん
「…だけどオラァも
このゲンコツいっこで頑張るだぁよ!」
ムシカイの母ちゃん
「だけどまぁ…アレだなぁ」


ムシカイの母ちゃん
「いたずらばっかするムシカイも
最近は顔付きが変わって―」
ムシカイの母ちゃん
「ちったぁ男の顔になって来ただよ」
ムシカイの母ちゃん
「若い頃の父ちゃんを思い出すだぁよ!」


ミカン爺
(一通り踊ってから)
「…おおシロか!」
ミカン爺
「今年の村祭りも大成功じゃったわい!」
ミカン爺
「お前は初めてこの村の祭りを
楽しんだのではないか?」
ミカン爺
「どうじゃ…来年のワシの踊りが
楽しみになったじゃろう!」


ミカン爺
「さぁて来年の祭りに向けて
ワシも花踊りに磨きを掛けんとのう」
ミカン爺
「今日も一日しっかり踊るぞい!」


ツバキ
「お祭り…終わっちゃったね」
サザンカ
「そうね…」
サザンカ
「さぁお参りも終わったし
そろそろ出発しようか?」


サザンカ
「今度はどこへ行こうか…?」
ツバキ
「私キレイなお花のある所が
いいなぁ!」


行商人
「随分この村も穏やかになったねぇ」
行商人
「…思えば私がここで見た
あの大岩斬りが―」
行商人
「スサノオ伝説の幕開けだったって
事じゃないか!」
行商人
「歴史の見届け人かぁ…
こりゃ責任重大だよ」
行商人
「私も商売で名を成して
商人伝説を世に轟かせようかな?」
行商人
「さぁワン子も私のお得意さんになって
歴史に名を残さないかい?」


(アガタの森に移動)

カリウド
「おお白いオオカミよ
また元気に走り回っているな」
カリウド
「…どうした?
もしかして息子を探しているのか?」
カリウド
「残念だが息子ならもう
この森にはいないぞ」
カリウド
「実は自分の夢を見つけたと言って
旅に出てな…」
カリウド
「どこかで出会う事があったら
また遊んでやってくれよ」


カリウド
「息子がどこへ旅だったのか
俺も知らないのだが―」
カリウド
「…あいつの事だ
きっと元気でいるに違いない」
カリウド
「どこかで出会う事があったら
また遊んでやってくれよ」


(笹部郷に移動)

(ジャンバ太夫たちに近付く)
子分(左)
「おお白毛布のダンナ!」
子分(右)
「よくぞお越し下さいやした!」
子分(右)
「ダンナの噂はこの笹部郷にも
轟いてますぜ!」
チュンジャク
「あのヤマタノオロチを
倒したんでチュってね?」
チュンジャク
「森の動物たちの間でも
大評判でチュよ! …ねぇおっ父?」
ジャンバ太夫
「……」
ジャンバ太夫
「ヂュン…?」
子分(左)
「ヒ…ヒイィッ!!」
子分(右)
「お…親分が泣いていなさる!」
イッスン
「…そりゃどういう意味だよォ?」
チュンジャク
「ワンちゃんいつでもここへ
遊びに来て下チャいね」
チュンジャク
「お宿のみんなも
旅の話を聞きたがってまチュよ!」


竹ノ介
「"お前…もしかして
伝説の白野威か…?」
竹ノ介
「ヤマタノオロチ退治出来る奴
他にいない!"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「お前みたいに一人で村を守って
戦う奴も中々いないぜェ!」


タイジャン
「ウヂュッ!
白オオカミオラ待ってたんだど!」
タイジャン
「森の動物がみんな
お前たちの事を噂してるんだど!」
タイジャン
「すごい怪物と戦って
退治したって本当なんだどか?」
タイジャン
「も…もっと話を聞かせるんだど!」
イッスン
「…何とか気に入られたみたいだなァ」


タイジャン
「お前本当はいい奴みたいだど!」
タイジャン
「…それならオラたちは友達だど!」
タイジャン
「これからはお前も
かわいがってやるど!」


子分(左)
「やっぱり
白毛布のダンナは違うなぁ…」
子分(左)
「素っ裸で敵の本陣に突っ込むなんざ
アッシにゃ真似出来ねぇや!」


子分(右)
「ダンナ是非ウチの若ェモンに
武勇伝を聞かせてやって下せえよ」


イッスン
「……」
チュンジャク
「……」
チュンジャク
「ポッ」
イッスン
「な…何ィ!?」


ジャンバ太夫
「……」
ジャンバ太夫
「ヂュン…?」
子分(左)
「ヒ…ヒイィッ!!」
子分(右)
「お…親分が泣いていなさる!」
イッスン
「…だからどういう意味だよォ?」


(風神宮に移動)

フセ姫
「お前たち何度言ったら分かるの!」
フセ姫
「今度よそ見してたら承知しないよ!」
イッスン
「……」
フセ姫
「あ…あらオホホホ
今この者どもを特訓していますの」
フセ姫
「オオカミさんも参加してみます?」
イッスン
「い…いや遠慮しておくよォ」


フセ姫
「五人で再出発するには
生半可な訓練じゃ間に合いません」
フセ姫
「この世の全ての妖怪たちに恐れられる
"クサナギ伍"を鍛え上げて見せます!」
イッスン
「め…目がマジだぜェ」


礼狗
「"フセ姫さまの怒った顔初めて見た」
礼狗
「…ポッ"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「分かる…分かるぜェ」


考狗
「"クサナギ伍よりかっこいい名前
オレ考えた」
考狗
「その名もクサップ!"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「何か…プ〜ンと来る名前で
い…いいんじゃねェか?」


智狗
「"アンタ赤カブト倒した
アタシたちの仲間なる資格ある!"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「イヤ…気持ちだけもらっておくぜェ」


信狗
「"朝から晩まで特訓…眠い"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「甘ったれんなィ
ちったぁ体鍛えなァ!」


悌狗
「"クサナギ伍のリーダーオレなる
ナカツクニオレたち守る!"」
イッスン
「…だとォ!?」
イッスン
「やっぱりお前は頼りになるなァ…」


(関所に移動)

(火の鳥像を調べる)
イッスン
「この鳥の像…炎を纏って
メラメラ燃えていやがるぜェ」
イッスン
「火の鳥像か…
その名に恥じない貫禄があらァ!」


兵士
「フガッ!?」
「ふぁ〜…最近は寝覚めがいいんだな!」
兵士
「辺り一面にタタリ場が広がった時は
どうなるかと思っただども―」
兵士
「今じゃタタリ場もすっかりなくなって
平和な雰囲気なんだな!」
兵士
「それにホレ!
火の鳥像に退魔の炎が戻っただよ!」
兵士
「これで夜でも
妖怪たちが寄り付かなくなるんだな!」
兵士
「それよりお前…
あの噂を知ってるだか?」


兵士
「フガッ!?」
兵士
「…最近はタタリ場もすっかり
なくなって平和な雰囲気なんだな!」
兵士
「火の鳥像に退魔の炎も戻ったし―」
兵士
「これで夜でも
妖怪たちが寄り付かなくなるんだな!」
兵士
「それよりお前…
あの噂を知ってるだか?」


(看板を調べる)
『 「大跳ね橋」 』
イッスン
「橋が上がっちまってるから
都へは行けないぜェ」
イッスン
「でも今のお前なら何とか
なるんじゃねェのか?」


ヨイチ
「ようワンちゃん元気かい?」
ヨイチ
「そうそう見ろよ! …消えていた
火の鳥像退魔の炎が蘇ったんだ!」
ヨイチ
「…丁度十六夜の月が昇った夜
神州平原で唸り声がしたと思ったら―」
ヨイチ
「突然またボアッと燃え出してなぁ」
ヨイチ
「聖なる炎がついたり消えたり…
何か不吉な事でも起こる前触れかい?」
ヨイチ
「とにかくこれで橋を下ろす火矢の合図
が送れるようになったってワケだぁ」
ヨイチ
「…でもなぁ」
ヨイチ
「今更都に戻るのも
つまらねえんだよなぁ…」
ヨイチ
「元々都の警備兵なんてのは
俺の性に合わなくてよ」
ヨイチ
「…一丁旅にでも出てドカンと一発
デカい事をしてみてえなぁ!」


ヨイチ
火矢を射て橋を下ろす合図が送れる
ようにはなったが―」
ヨイチ
「今更都に戻るのも
つまらねえんだよなぁ…」
ヨイチ
「元々都の警備兵なんてのは
俺の性に合わなくてよ」
ヨイチ
「…一丁旅にでも出てドカンと一発
デカい事をしてみてえなぁ!」
イッスン
火矢って要するに…
矢に火をつけりゃいいんだよなァ?」
イッスン
「アマ公…一番新しい例の筆業
見せ場が来たんじゃねぇのかィ?」


(ヨイチの矢に火を付けると対岸の大砲が大爆発、衝撃で橋が下りる)
ヨイチ
「な な な 何だぁ!?」
ヨイチ
「ドカンと一発…
とんでもねえ事になっちまったぁ!」
ヨイチ
「ど…どうして俺の矢に
いきなり火が…?」
ヨイチ
「……」
ヨイチ
「おっといけねぇ!」
ヨイチ
「俺…都に用事があるのを
思い出しちまったい!」
ヨイチ
「丁度橋も架かった事だし―」
ヨイチ
「早いとこ都へ
警備の仕事に帰らねぇといけねぇや!」
ヨイチ
「べ…別に都へ帰るフリして
このまま旅に出て姿を消す
とか―」
ヨイチ
「この当たり屋ヨイチ…そんな
邪な事は考えちゃいねぇからな!」
ヨイチ
「それじゃお前ら達者でなぁ!」
(リンゴを落としながら走り去る)


松婆
「お…大跳ね橋が
すっかり元に戻ってるじゃないか!」
松婆
「すごい音がしたけど…
一体何があったんだい?」


松婆
「橋が架かって
また客足が戻るかも知れないねぇ」
松婆
「辺り一面覆ってたタタリ場も
消えてなくなってるし―」
松婆
「やっぱり神さまは
見てくれてるのかねぇ?」
松婆
「…とにかくアタシも
仕事に身を入れていくよ!」


茶屋の客
「何の騒ぎかと思ったら…
大跳ね橋が下りてるじゃねぇか!」
茶屋の客
「…それじゃ都への行き来は
もう自由って事かい?」
茶屋の客
「いや…あの話が本当だとしたら
事を急いちゃいけねぇ」


茶屋の客
「都西安京で蔓延してるって噂の
原因不明の流行り病―」
茶屋の客
「…それが本当の話なら
慌てて橋を渡る必要もねぇや」
茶屋の客
「旅は慎重さが肝心!
…お前も無理はするなよ犬ッコロ!」


行商人
「大跳ね橋の上げ下ろしって
こんなに派手だったっけ!?」
行商人
「…ともかくこれでこの関所も
人通りが多くなるだろうから―」
行商人
「私もここにジックリ腰を据えて
新装開店といこうかね!」
行商人
「ワン子がお客さん第一号だ
お使いならここで済ませて行きなよ!」


行商人
「いらっしゃい!
お使いならここで済ませて行きなよ」


兵士
「フガッ!?」
兵士
「な…何だ? 何が起こっただか?」
兵士
「い…いつの間にか
大跳ね橋が下りてるでねえだか!?」
兵士
「眠っていて決定的な瞬間を
見逃しただよ!」


兵士
「フガッ!?」
兵士
「…大跳ね橋が下りたって事は
都への通行が許可されたんだな」
兵士
「じゃあこれからは不審な者が
通らないかキッチリ警備するんだな!」


(看板を調べる)
『 「大跳ね橋」 』
イッスン
「都へと続く
名所大跳ね橋だぜェ」
イッスン
「お前のおかげで絶賛開通中だァ!
でかしたなアマ公」


(関所を出ようとする)
イッスン
「ヘッへ…都かァ」
イッスン
「…アマ公どうせお前百年前も
ド田舎に引っ込んでたんだろォ?」
イッスン
「きっとあの人の往来を見たら
ビックリするぜェ?」
イッスン
「カワイイ姉ちゃんも
たくさんいるしよォプフフフフ!」