(スズメのお宿に入る)

女将
「スズメのお宿に
ようこそいらっしゃいませ!」
女将
「私はこの宿の女将です
御用は何なりとお申し付け下さいね」


女将
「ここには動物や人間…
色んなお客さまが来られるんです」
女将
「どんな方でもお客さまはお客さま…
精一杯のおもてなしを致しますよ」

(頭突き)
女将
「チュン!」


仲居
「エ〜ト…あぁ今月も赤字だぁ!」
仲居
「ただでさえお客さんが中々来ないのに
営業停止なんてするから…」


仲居
「ウチの親分
お金に関しては全く頓着がないから…」
仲居
「でも男気は人一倍厚いんですよ
…だから皆付いて行くんです!」

(頭突き)
仲居
「ブチュン!」


番頭
「エエト…この旅館も
めでたく再開と相成ったわけですが―」
番頭
「そもそもこの笹部郷は
人の世から離れた夢幻の地…」
番頭
「そうそう客も来ないのですハイ」

(頭突き)
番頭
「ハイッ!?」


仲居頭
「アンタお客…じゃないわよね?」
仲居頭
「そんなおトボケ顔で
よくこの笹部郷に入れたわねぇ」


仲居頭
「よっぽど心が美しい者じゃないと
笹部郷には入れないのよ」
仲居頭
「この宿を訪れるお客さんなんて
年に五人いるかどうか…」

(頭突き)
仲居頭
「チュ〜ン!」


仲居(ツインテール)
「お嬢さんが無事見つかって
お宿も営業再開!」
仲居
「いつもの竹じいさんも
さっそくやって来たみたいね」


仲居
「竹じいさんまた竹林
品定めしてるのかしら?」
仲居
「この笹部郷の竹が
竹細工を作るのにピッタリらしいのよ」

(頭突き)
仲居
「チュウ〜!」


仲居(黄色い花の髪飾り)
「あらオオカミのお客さんは
初めて見るわねぇ」
仲居
「どうぞゆっくり休んで行ってね」


仲居
「ウチの宿見た目はボロだけど
サービスはどこの宿にも負けないわ」
仲居
「特にお料理が自慢なの
それが目当てのお客さんもいるのよ」

(頭突き)
仲居
「チュチュン!」


仲居(一人だけ汗マーク)
「はぁ忙しい忙しい!」
仲居
「ちょっとアンタどいて頂戴!」


仲居
「ホラホラどいてったら!」
仲居
「ボ〜ッとしてないで
料理の一つも運びなさいよ!」

(頭突き)
仲居
「チュ!?」


仲居(歩いてる)
「ファ〜ヒマねぇ…」
仲居
「私本当は仕事がなくて
適当に動いてるだけなの」


仲居
「ファ〜ヒマねぇ…」
仲居
「こうして動いてないと
寝ちゃいそうだわ」

(頭突き)
仲居
「チュウン!」


(エレベーターに乗って上の部屋へ、ジャンバたちに近付く)
子分(左)
「客人お待ちしてやした!」
子分(右)
「よくぞお嬢を…」
子分(右)
「アッしたちからも
お礼を言わせて頂きやす!」
チュンジャク
「あなたの活躍を話したら
おっ父本当に驚いてたんでチュよ!」
チュンジャク
「ねっおっ父?」
ジャンバ太夫
「……」
ジャンバ太夫
「…ヂュン」
子分(左)
「ヒ…ヒイィッ!!」
子分(右)
「お…親分が感動していなさる!」
イッスン
「……」
チュンジャク
「この部屋にあるツヅラは
全部貴方へのご褒美でチュよ」
チュンジャク
「下のお宿でも
ゆっくりして行って下チャいね」
チュンジャク
「…特に宿の裏にある温泉
疲れが取れまチュよ!」


子分(左)
「アッシたちが散々探して
見つからなかったお嬢をよくぞ…」
子分(左)
「白毛布のダンナ
…あんたスゲぇお人だ!」

(頭突き)
子分(左)
「よっとぉ!?」


子分(右)
「白毛布のダンナ…親分に
認められるなんてよっぽどの事ですぜ」
子分(右)
「アッシもあやかりてぇや!」

(頭突き)
子分(右)
「なんとぉ!?」


イッスン
「……」
チュンジャク
「……」
チュンジャク
「バーカ」
イッスン
「く…くっそォ!」

(頭突き)
チュンジャク
「イヤンでチュ!」


ジャンバ太夫
「……」
ジャンバ太夫
「…ヂュン」
子分(左)
「ヒ…ヒイィッ!!」
子分(右)
「お…親分が感動していなさる!」
イッスン
「……」

(頭突き)
ジャンバ太夫
「……」
子分(左)
「ヒ…ヒイィッ!!」
子分(右)
「お…親分が黙っていなさる!」
イッスン
「アマ公よせってェ!」


(お宿の左廊下の部屋手前に入る)
行商人
「行商の途中で
ヘンな所に迷い込んじゃったなぁ」
行商人
「まぁ働き詰めだったし
神さまが休めって言ってるのかもね」
行商人
「それでも商売を止められないのが
商人の悲しい性なんだけど…」
行商人
「…と言うわけでワン子
買い物のお使いならここでどうぞ!」


行商人
「それにしても…この宿にいると
気持ちが和むねぇ」
行商人
「…おっと商売商売!
買い物のお使いならここでどうぞ!」


(碁盤を調べる)
イッスン
「碁盤があるけど
使われた形跡はねェな」


(お宿の左廊下の部屋奥に入る)

仲居
「あ〜っ!!」
仲居
「あ…あんただろ? ウチのお嬢を
見つけ出した白毛布のダンナってのは!」


仲居
「ねぇ白毛布のダンナぁ
バトルはあったんスかバトルは!」
仲居
「どんな妖怪をやっつけたんスか?
…武勇伝を聞かせて下せぇよ!」

(頭突き)
仲居
「き…効く〜!!」


虚無僧
「おおお主は
あの白オオカミではないか!」
虚無僧
「ここにいい宿があると聞いて
フラリと訪れたが―」
虚無僧
「噂通り素晴らしい宿だな」


虚無僧
「何だその心配そうな顔は…?」
虚無僧
「ハッハッハ安心するが良い
ここに不気味な妖気などありはせん!」

(頭突き)
虚無僧
「こ…これこれ!」
イッスン
「お前…それ止めろってェ!」


(机を調べる)
イッスン
「そうやって何でもかんでも
食おうとすんなって!」


(お宿の右廊下の部屋手前に入る)

(三味線を調べる)
イッスン
「ずいぶん丁寧に手入れされた
三味線があるぜェ」
イッスン
「この三味線で一曲
聞いてみたいもんだなァ」


(お宿の右廊下の部屋奥に入る)

仲居
「ああ…あのお客さま!」
仲居
「あれはあの人に間違いないダスわ!」


仲居
「私…小さい頃怪我してるところを
猟師さんに助けてもらったダス」
仲居
「その人がお客さんとして
このお宿にやって来るなんて…!」
仲居
「どんどんサービスしちゃうダス
グフフフフ!」

(頭突き)
仲居
「グフッ!?」


宿屋の客
「おっ今度はオオカミの仲居さんかい?」
宿屋の客
「ここは不思議な宿だけど
飯は本当にウマいなぁ」
宿屋の客
「それにしてもスズメのお宿なんて…
俺は夢でも見ているのか?」


宿屋の客
「俺…小さい頃にケガをしている
スズメを助けた事があるんだ」
宿屋の客
「今何だかその恩返しを
受けているような気がするなぁ」
宿屋の客
「…ちょっともてなしが
過剰なような気もするけど…」


(琴を調べる)
イッスン
「琴が置いてあるぜェ
一体誰のだろうなァ?」


(温泉に移動、竹格子を調べる)
イッスン
「扉がしっかり閉まってらァ
…鍵がかかってるワケでもねェな」
イッスン
「どうやったらこの扉
開ける事ができるんだァ?」


(巨大鹿威しを調べる)
イッスン
「小さな鹿威しなら
そこらでよく見かけるが―」
イッスン
「こいつはまたずいぶんと
立派な鹿威しだァ」
イッスン
「やっぱりこれ程のものになると
迫力がダン違いだぜェ」


温泉番
「き…客人
ちょい待ちでゲス!」
温泉番
「ここはスズメのお宿名物の天然温泉
笹部の湯でゲスがー」
温泉番
「ちょっと今お湯を切らしちまって
入れないでゲス!」
イッスン
「…天然温泉なのに
何でお湯が切れるんだよォ?」
温泉番
「それが…先日ものすげぇ地鳴りと
怪物の鳴き声が響いたと思ったら―」
温泉番
「急にお湯が
なくなっちまったんでゲス!」
イッスン
「地鳴り…怪物の鳴き声…」
イッスン
「もしかして
この前の真っ暗騒ぎの事かァ?」
温泉番
「それ以来ずっとお湯乞い
してるでゲスが―」
温泉番
「全然涌き出る気配がねぇでゲス」
温泉番
「…とにかくこんな事は
笹部の湯始まって以来の事でゲス!」
温泉番
「せっかく来てもらったのに
温泉に浸かってもらえねぇなんて…」
温泉番
「アッシぁ焼き鳥になって
詫びるでゲス!」
(持っていた松明を自分に押し当てるスズメ)
イッスン
「や…止めろってェ!
オイラぁ風呂なんか嫌いだからよォ!」


温泉番
「止めないでくれでゲス!」
温泉番
「これだけお湯乞いをして
お湯が湧き出ねぇとなると―」
温泉番
「これは本格的に
笹部の湯滅亡の時でゲス!」
温泉番
「アッシの代で
温泉が尽きるとあっちゃ―」
温泉番
「もう焼き鳥になって詫びるしか
ねぇでゲス!」
(焼き鳥続行)
イッスン
「だからオイラたちは風呂なんか
入らないってェ! なァ毛むくじゃら?」
竹取翁
「フニャ…懐かしい笹の香りだねぇ」
竹取翁
「笹部郷の竹は
香りからもう違うのよね」
竹取翁
「今年のお祭りで売る竹細工―」
竹取翁
「ワシ創作意欲が
モリモリ湧いて来ちゃうよ!」
イッスン
「あれェ? 竹じいさんじゃねェか!」
竹取翁
「おや
オオカミさんと妖精さんじゃないの」
竹取翁
「…今回はほんに世話になったねぇ」
竹取翁
「あんたたちがスズメの親分さんの
娘さんを助け出したお陰で―」
竹取翁
「この笹部郷への出入りが
また自由になったんだもんね」
竹取翁
「お礼に…ワシに出来る事ある?」
竹取翁
「何か困ってる事とか…ない?」
イッスン
「困ってる事ォ? ……別にねぇなァ」
イッスン
「…そっちのスズメさんなら
何やらお困りの様子だけどよォ」
竹取翁
「フニャ? どうしたのスズメさん?」
温泉番
「放っといてくれでゲス!」
温泉番
「ここで男のケジメを付けなけりゃ―」
温泉番
「組のモンに示しが付かないでゲス!」
温泉番
「アッシがこの身を捧げたら
涸れた温泉も蘇るに違いねぇでゲス!」
(再び焼き鳥続行)
イッスン
「…また始まったァ」
竹取翁
「フニャ…
涸れた温泉を蘇らせたいだけなの?」
竹取翁
「それならワシお役に立っちゃうよ」
温泉番
「な…何でゲスってぇ!?」
竹取翁
「ワシが背負ってるこの鹿威しは
地下の鉱脈に反応して音を出すの」
竹取翁
「温泉源を見つけ出すのも
多分簡単に出来ちゃうよ」
イッスン
「そ…そりゃ本当かァ!?」
竹取翁
「うんワシが作る竹細工は
ウソつかないもん」
竹取翁
「…それじゃ温泉源の場所は
ワシが教えるから―」
竹取翁
「オオカミさん温泉掘りを
遊び感覚で手伝ってくれない?」


(温泉掘りを… 手伝う)
温泉番
「た…頼みましたよご両人!」
竹取翁
「…じゃあ温泉掘り遊びの段取りを
説明するからね」
竹取翁
「温泉掘り遊びが始まったら
ワシはもう勝手に歩き始めるから―」
竹取翁
「オオカミさんはワシが地下深くに
降りて行けるようどんどん穴を掘る
の」
竹取翁
「…でも地下は危険が一杯だから
気を付けて掘ってね」
竹取翁
「ワシは多分歩くのに夢中だから
目の前に危険が迫っても止まらないよ」
竹取翁
「ワシがあんまり痛い目に遭ったら…
遊びを続ける元気がなくなるからね」
(温泉掘りを… 手伝わない)
温泉番
「あ…あれ!?」
竹取翁
「フニャ…
オオカミさん冷たいのね」


温泉番
「き…客人!」
温泉番
「客人が手伝ってくれねぇとあっちゃ
いよいよアッシは…!」


竹取翁
「ねぇオオカミさん
温泉掘りを遊び感覚で手伝ってよ」
竹取翁
「ワシが背負ってる鹿威しが
温泉源の位置を教えてくれるからさ」
竹取翁
「そして見事
ワシが地下深くに辿り着いたら―」
竹取翁
温泉の湧き出る場所を教えてあげるよ」
竹取翁
「…もう一度聞きたい?」

(説明は… もういい)
竹取翁
「じゃあ早速
温泉掘り遊びを始めてみようかね!」

(穴掘りゲーム開始)

(成功すると温泉が噴き出す)
温泉番
「お…温泉が!」
温泉番
「温泉が蘇ったでゲスよ!」
竹取翁
「言ったでしょ?
ワシの竹細工は嘘つかないもん」
イッスン
「アマ公お前もでかしたぜェ!」
温泉番
「ご両人…この恩は
一生忘れねぇでゲス!」
温泉番
「もうご両人にはいつでもこの温泉を
タダで振舞うでゲス!」
(喜ぶ翁と辟易するアマテラス)
温泉番
「温泉への感謝の気持ちも忘れねぇよう
お湯乞いの舞いもずっと続けるでゲス!」
(温泉番が踊り始めると空が輝き出す)
イッスン
「お…おい
こりゃもしかしたらいつもの…!?」
(星座を完成させると丸い水のビンに詰まった蛇が出現)
濡神
「おお…
我らが慈母アマテラス大神」
濡神
「御許がお隠れ給いし際は
水面に主を偲び袖を潤したるも―」
濡神
「日の気色蘇りたるとあらば
この濡神―」
濡神
「いざ地に萌ゆる緑に
命の潤いを与えん!」
(濡神がアマテラスに宿る)
イッスン
濡神って…水を司る神サマの
名前じゃねェか」
イッスン
「…て事は水の筆業
水郷を手に入れたのかァ!?」
温泉番
「あぢぢぢぢ〜!!」
温泉番
「火が…火が燃え移ったでゲス!」
温泉番
「アッシはまだ焼き鳥には
なりたくねぇでゲス〜!」
イッスン
「…放っておいてもいいけど
まぁ丁度いいやァ」
(失敗)
温泉番
「あ…あれご両人?
どうしたでゲスか?」
竹取翁
「フニャ…ワシ痛い目に遭い過ぎて
元気がなくなっちゃったの」
イッスン
「アマ公…お前
もっと上手くやれよォ!」
温泉番
「温泉は…
温泉はどうなったでゲスか!?」
温泉番
「まさか…もうどこを掘っても
お湯なんかもう出ねぇとか?」
温泉番
「や…やっぱりアッシが
焼き鳥になるしかねぇでゲス!」
温泉番
「アッシがこの身を捧げたら
涸れた温泉も蘇るに違いねぇでゲス!」


温泉番
「温泉は…
温泉はどうなったでゲスか!?」
温泉番
「まさか…もうどこを掘っても
お湯なんかもう出ねぇとか?」
温泉番
「や…やっぱりアッシが
焼き鳥になるしかねぇでゲス!」
温泉番
「アッシがこの身を捧げたら
涸れた温泉も蘇るに違いねぇでゲス!」


竹取翁
「あんまり痛い目に遭って
へこんじゃったけど―」
竹取翁
「頑張ってもう一度
温泉掘り遊びやってみようかな」
竹取翁
「…ワシ今なら
成功しそうな予感がするの」
温泉番
「た…頼みましたよご両人!」
竹取翁
「今度こそ温泉を掘り当てようね!」
竹取翁
「…その前に温泉掘りの段取りを
もう一度聞きたい?」
イッスン
「アマ公水郷の力で
あの火でも消してみようぜェ!」
イッスン
「水郷ってのは水の力を
源にする筆業だァ」
イッスン
「…つまり水の上に筆を置いて
そこから線を描けば
―」
イッスン
線に水の力が宿って
たちまち水流が生まれる
のさァ!」
イッスン
「説明はこの辺にして
早いとこ火を消してやろうぜェ」
イッスン
「そこの温泉に筆を置いて
スズメに向かって線を描く
んだァ!」

(成功)
イッスン
「お見事ォ!!」
イッスン
「焼き鳥は食い損ねたけど…
見事な水の舞見せてもらったぜェ!」
イッスン
「…だけど水郷の力は
まだこんなモンじゃねェや」
イッスン
「ホレ…温泉の真ん中に
プクプク泡ブクが湧いてるだろォ?」
イッスン
「ああいう場所は水の力場って言って
水の力が溜まってる所なのさァ」
イッスン
「…だからあの泡ブクから真っ直ぐ
上に向かって線を伸ばせば
―」
イッスン
そこから立派な水柱が立ち上る
違いねェや!」






(失敗)
イッスン
「オイオイオイラの話を
ちゃんと聞いてたかァ?」
イッスン
「水郷ってのは水の力を
源にする筆業だァ」
イッスン
「だからまずは水の上に筆を置いて
そこから描き始めなきゃダメ
だぜェ!」

(違う筆業)
イッスン
「…だから今はそんなの
お呼びじゃないってェの!」
イッスン
「新しい筆業…見たくないのかよォ!?」

(失敗二回目以降)
イッスン
「お前まさか焼き鳥が食いたいんじゃ
ないだろうなァ…?」
イッスン
「…とにかく水郷ってのは水の力を
源にする筆業だってェの!」
イッスン
「いいからまずは水の上に筆を置いて
適当に線を描け
よォ!」


(成功)
イッスン
「来た来た来たァ〜!!」
イッスン
「見事水の力場
操りやがったじゃねェか!」
(水の力場を足場にして高い所に飛び移るアマテラス)
イッスン
「おっとォ
こんな真似も出来るのかよォ?」
イッスン
「これなら高い所へ上ってお宝でも
見つけられるかも知れないなァ?」
イッスン
「あんな水の力場を見つけたら
どんどん水柱をブチ上げようぜェ!」











(失敗)
イッスン
「違う違う!」
イッスン
「ホラ温泉に泡ブクがプクプク
湧いて出てるだろォ?」
イッスン
あの泡ブクから上に向かって真っ直ぐ
線を引く
んだってェ!」

(失敗三回目)
イッスン
「あのなァ…」
イッスン
「オイラ泡ブクから上に向かって
真っ直ぐ線を引け
って言ったよなァ?」
イッスン
「言う事聞かねぇと
毛ェ全部むしり取るぜェ!!」

(線が曲がって失敗)
イッスン
「うん…?」
イッスン
「いや…泡ブクから線を引くって
ところまではいいんだけどよォ…」
イッスン
真っ直ぐ上に向かって
線を伸ばさなきゃダメ
なんだぜェ?」


温泉番
「お…温泉が…
温泉が蘇ったでゲスよ!」
温泉番
「お陰で焼き鳥にならずに
済んだでゲス!」
温泉番
「…この恩は一生忘れねぇでゲス!」


温泉番
「さぁ温泉でひとっ風呂
どうでゲスか?」
温泉番
「ザブッと浸かりゃきれいサッパリ!
…ケガだってすぐ治るでゲスよ!」
イッスン
「オ…オイラ風呂なんか入らなくたって
充分キレイだィ!」

(頭突き)
温泉番
「ゲスッ!?」


竹取翁
「魂を込めて竹細工を作っていれば―」
竹取翁
「またいつかこんな風に
人助けが出来るかも知れないしねぇ」
竹取翁
「そうだ…竹細工に使う竹を選びに
奥の竹やぶへ行かなくちゃ」
竹取翁
「…でも竹やぶへ行くにはあの扉
越えなくちゃいけないんだけど―」
竹取翁
この大鹿威しが鳴らないと
あの扉は開かない
んだよね…」
竹取翁
「いつ鳴るか分からない気ままな
鹿威しだから―」
竹取翁
「気長に待つとしようかな」


(水郷で巨大鹿威しに水を入れると扉が開く)

竹取翁
「やぁやぁ
竹やぶへの扉が開いたねぇ」
竹取翁
「でもせっかくだから温泉で一休み
してから竹を探しに行こうかな…」


竹取翁
「ワシの作る竹細工は
どれもワシの子供のような物なの」
竹取翁
「ワシの竹細工と巡り合って
その人が幸せになってくれたら…」
竹取翁
「…そう考えると
ワシも幸せになってくるんだよねぇ」


(竹やぶに移動、地蔵を調べる)
イッスン
「これは道中の安全を祈願する
お地蔵さんだぜェ」


(休憩所を調べる)
イッスン
「こんなトコに休憩所があるぜェ」
イッスン
「風呂上りの憩いの一時ってかァ?
オイラは風呂なんか嫌いだィ」


タイジャン
「ウヂュ〜ン!! ウヂュ〜ン!!」
イッスン
「何だァこのデカい坊主は?」
イッスン
「お…おい坊主
一体何を吠えてるんだよォ?」
タイジャン
「ぼ…坊主じゃないど!」
タイジャン
「オラにはちゃんと
タイジャンって名前があるど!」
タイジャン
「それに吠えてるんじゃないど!」
これは泣いてるんだど!」
タイジャン
「ウヂュ〜ン!! ウヂュ〜ン!!」
『 泣き虫 タイジャン 』
イッスン
「そ…そうかァ
泣いてるのかァ」
イッスン
「で…一体どうしてそんな
気味の悪い泣き方をしてるんだよォ?」
タイジャン
「オラの…オラの竹ノ介
どこかに行っちゃったんだど!」
タイジャン
「散歩に連れて来たら
どこかに消えちゃったんだど!」
タイジャン
「ウヂュ〜ン!! ウヂュ〜ン!!」
イッスン
「竹ノ介…?
そりゃお前の友達かィ?」
タイジャン
「オラのペットなんだど!
ワン子の竹ノ介が行方不明なんだど!」
タイジャン
「ウヂュ〜ン!! ウヂュ〜ン!!」
(里見の印籠が出現)
イッスン
「な…何だい
里見の印籠が急に現れやがったぜェ!」
イッスン
「って事は…?」


タイジャン
「ウヂュ〜ン!! ウヂュ〜ン!!」
タイジャン
「ワン子の竹ノ介
どこかに行っちゃったんだど!」
タイジャン
「散歩に連れてきたら
どこかへ消えちゃったんだど!」
タイジャン
「ウヂュ〜ン!! ウヂュ〜ン!!」
イッスン
「犬コロなんて…そのうち
帰ってくるんじゃねぇのかァ?」

(頭突き)
タイジャン
「ウヂュン!」


(竹やぶの一番奥に近付く)
イッスン
「おやァ?」
イッスン
「アマ公…あそこの竹が見えるかィ?」
イッスン
「オイラの見間違いじゃなければー」
イッスン
「あそこに並んだ竹…
妙にピカピカ点滅してねェか!?」
イッスン
スパッと斬ったりなんかしたら―」
イッスン
「中から変なモンが出てきたり
するんじゃないだろうなァ?」


(光ってない竹を切る)
イッスン
「はずれェ!」
イッスン
「アマ公…お前いま
光る竹を狙って斬っただろォ?」
イッスン
「まァ確かにそうしたくなるのが
人情ってモンだわなァ…」


(二回目以降)
イッスン
「またはずれェ!」
イッスン
「何だい…狙うなら狙うで
光る竹を一発で仕留めてみろィ!」


(成功)
イッスン
「大当たりィ!」
(竹の中に犬が寝ている)
イッスン
「い…犬コロォ!?」
タイジャン
「ウヂュ!?」
タイジャン
「た…竹ノ介だど!」
タイジャン
「竹ノ介が帰って来ただど!」
タイジャン
「…竹ノ介?」
(戦闘体勢を取る竹ノ介)
タイジャン
「ど…どうしたんだど?
何を唸ってるんだど!?」
タイジャン
「ウヂュ!?
も…もしかして…」
タイジャン
「この白いオオカミが
お前を神隠しに遭わせただどか?」
イッスン
「お…おいおい何の話だァ?」
イッスン
「ん? 待て待て
この犬コロ何か言ってるぜェ!」
イッスン
「…ナニナニ?」
竹ノ介
「"白いオオカミ―」
竹ノ介
「それ里見の印籠…お前何者だ?」
竹ノ介
「その印篭持つなら
オレと戦ってその力示せ!"」
『 八犬士 義狗 』
イッスン
「…だとォ!?」
イッスン
「ア…アマ公
こいつ八犬士の一匹だァ」
イッスン
「里見の印篭を見て
イキナリやる気だぜェ!」
イッスン
「アマ公どうすんだィ!?」

(ケンカを… 買う)
イッスン
「よォし
お前も腹ァ決めたなァ?」
イッスン
「手加減ナシで行くぜェ!」

(義狗と戦闘、終了後)
タイジャン
「待て待て待つんだど!!」
タイジャン
「竹ノ介をいじめるのは
許さないんだど!」
タイジャン
「それ以上やる気なら
オラが相手になるど!」
イッスン
「ちょっと待てよォ
別にいじめてたワケじゃ…」
イッスン
「お…おい犬コロ
お前も何とか言えよォ!」
竹ノ介
「"その印籠の意味…
フセ姫さまの用件分かっている」
竹ノ介
「風神宮の大妖怪赤カブト退治
オレたちの使命…」
(ケンカを… 買わない)
イッスン
「ちょ…ちょっと待ってろィ!」
イッスン
「イロイロ準備を整えてから
改めて相手してやらァ!」


タイジャン
「も…もしかして…」
タイジャン
「お前が竹ノ介を
神隠しに遭わせただどか?」
イッスン
「お…おいおい何の話だァ?」


竹ノ介
「"それ里見の印籠…お前何者だ?」
竹ノ介
「その印篭持つなら
オレと戦ってその力示せ!"」
イッスン
「…だとォ!?」
イッスン
「アマ公準備はいいかァ!?」

竹ノ介
「でもオレ帰れない…」
竹ノ介
「この笹部郷
妖怪たちが狙ってる」
竹ノ介
「オレここ離れたら
妖怪たち一気に攻めてくる!」
竹ノ介
「そうしたらスズメ族たちもみんな…」
竹ノ介
「オレ一体どうすればいい…?"」
(義狗の宝玉がアマテラスの所へ)
『 里見八宝玉 義玉を手に入れた! 』
竹ノ介
「"宝玉が…お前の所行った!?」
竹ノ介
「…宝玉お前選んだ
オレもう心配ない」
竹ノ介
「オレここで妖怪と戦い
スズメ族守り続ける!」
竹ノ介
「オレたち八犬士
離れていても心は一つ!"」
イッスン
「…だってェ?」
イッスン
「ちょ…ちょっと待てよォ!」


竹ノ介
「"宝玉お前選んだ
オレの役目もうない」
竹ノ介
「お前自分の信じる道行け!"」
イッスン
「…だとォ?」
イッスン
「まぁお前にも事情があるから
仕方ねぇけどよォ…」


竹ノ介
「"でもこのスズメ族の子供
オレの事可愛がり過ぎ」
竹ノ介
「オレペット違う
本当はちょっと邪魔…"」
イッスン
「…だとォ?」
イッスン
「そりゃ気の毒になァ」


タイジャン
「竹ノ介をいじめるのは
許さないんだど!」
タイジャン
「それ以上やる気なら
オラが相手になるど!」
イッスン
「わ…わかったわかった
もうケンカはしないってェ!」


タイジャン
「ウヂュルルルル…!」
イッスン
「そんな気味の悪い…
イヤおっかない顔するなよォ」


(温泉に戻る)
竹取翁
「フニャ〜いいお湯だったなぁ」
竹取翁
「オオカミさん…何だか奥の方で
大暴れしてる声が聞こえたけど―」
竹取翁
「ゆっくり温泉につかって
汗を流して行ったらどう?」
イッスン
「い…いいよォ温泉なんか…」
イッスン
「それより竹じいさんも
さっさと竹探しに行ったらどうだィ?」
竹取翁
「フニャ…そう言えば早くしないと
お祭りが近いんだったっけ」
竹取翁
十五夜の満月がお空に昇る頃の
あのお祭りがさ」
イッスン
「十五夜の満月ゥ?」
竹取翁
「ウン…
毎年十五夜の満月が昇る夜に―」
竹取翁
「神木村で神木祭りって言うお祭りを
するんだよね」
竹取翁
「百年前このナカツクニの英雄
イザナギさまと白野威さまが―」
竹取翁
「神さまの力を借りて怖い怪物を
やっつけたって神話があるでしょ?」
竹取翁
「だから村のご神木にお神酒を捧げて
神さまに感謝するの」
竹取翁
「今年はその怪物退治から
丁度百年目の年なんだっけ…」
竹取翁
「ワシもお祭りで売る竹細工を
仕上げなくちゃ」
イッスン
「祭りかァ…こりゃ楽しみだぜェ」
イッスン
「その日になったら
また神木村に戻らねぇとなァ!!」
竹取翁
「あぁそれから…オオカミさん」
竹取翁
「さっき温泉掘り遊びまで
手伝ってもらって―」
竹取翁
「やっぱりオオカミさんには
何かお礼をしなきゃって考えていたの」
竹取翁
「それで…つまんない物だけど
コレなんかどうかなぁ?」
竹取翁
「…はいどうぞ!」
『 人魚の古銭をもらった! 』
イッスン
「わ…わざわざありがとよォ」
イッスン
「ひゃア〜
こりゃずいぶん小汚い銭貨だァ」
竹取翁
「このナカツクニには人魚泉っていう
小さな泉が幾つかあるんだけどね―」
竹取翁
そこにその古銭を投げ込むと
泉と泉の間を通り抜けられる
んだって」
竹取翁
「それが本当の話なら…この広い
ナカツクニを一瞬で旅出来る
ねぇ」
イッスン
「何ィ!?
そ…そりゃ便利な銭貨じゃねェか!」
イッスン
「この古銭がそんな
値打ちモンなのかよォ!?」
竹取翁
「ううん別に…
多分その辺のお店でも売ってるよ」
竹取翁
「ただちょっとかわいかったから
持ってただけなの」
竹取翁
「…今ワシあんまり蓄えがないから
それで勘弁してね」


竹取翁
「もうじき神木祭り…
十五夜の満月が昇る頃だねぇ」
竹取翁
「今年はあの怪物退治から
丁度百年目の年なんだっけ…」
竹取翁
「…でもワシ月と言えば
カグヤの事を思い出すんだよね」
竹取翁
「あの子は月を見上げるのが
好きだったなぁ」
竹取翁
「フニャまた昔を思い出しちゃったよ」
竹取翁
「…それより早く竹細工を仕上げないと
おまんま食い上げなのよね」


温泉客(左)
「この笹部の湯の名物は
大迫力の間欠泉なのよ」
温泉客(左)
「吹き上がる水の柱に乗って
空を飛ぶ気分を味わうのが最高なの!」

(頭突き)
温泉客(左)
「ちょ…ちょっと
私カナヅチなのよ!?」


温泉客(右)
「やっと温泉が
元通りになったのねェ」
温泉客(右)
「一番乗りは気持ちいいわァウフン」


温泉客(右)
「アハン…本当にいい湯ねェ」
温泉客(右)
「ちょっと…オオカミのお兄さん
そんなに見つめちゃイヤン!」
イッスン
「オ…オエ〜ッ!」

(頭突き)
温泉客(右)
「ボイ〜ン!」
イッスン
「オ…オエ〜ッ!」